今日でもう4日目だが、相変わらずの曇天で、天候に恵まれない。同室だった日本人学生は、もう寒いところは嫌だと、イエローストーンはただ通過しただけ(間欠泉すら見ていない!)で、グランドティトンにも寄らず、一気にユタ州まで南下してしまった。私も残りわずかとなり、明日にはここを去らねばならないので、やむを得ず未訪問地をつぶすことにした。
まず目指すは、先日雪のため断念したイエローストーン大峡谷。マディソン、ノリスと走ってキャニオン・ビレッジにやって来たら、すかさずノースリム沿いのインスピレーション・ポイント(Inspiration Point)に出向く。すると、到着直前に陽が差してきて、黄色の絶壁が眩しい。深さ300~450m程度と、あまり大したことないのかと思っていたが、さすがイエローストーンの名の由来となっただけあって、予想以上の見応えであった。

インスピレーション・ポイント

ルックアウト・ポイントからのロウアー滝
ここから峡谷を翻り、グランドビュー・ポイント(Grandview Point)、ルックアウト・ポイント(Lookout Point)と進むと、次第にロウアー滝(Lower Falls:94m)が迫ってくる。ルックアウト・ポイントからは、峡谷の中段まで下るレッドロック・ポイント(Red Rock Point)へトレイルが延びているので歩いてみるが、ロウアー滝はいよいよ間近に迫り、迫力が増してきた。
この先、ロウアー滝の真上に出るトレイルがあるが、この時はあいにく通行止めだったので泣く泣く断念。さらに上流へと遡上して、今度はアッパー滝(Upper Falls:33m)の真上まで歩いてみる。近くに行くと、さすがに水量が多くて迫力満点。飲み込まれそうな勢いであった。

アッパー滝
ノースリムを一通り見届けて川を渡り、満を持してサウスリムに入っていく。アッパー滝を対岸に見たら、ついにアンクル・トムズ・トレイル(Uncle Tom's Trail)を下る。これはロウアー滝の下まで、鉄の階段を急下降するコースだが、このエリアの名物となっているからか、かなりの観光客で賑わっている。とはいえ、あまりに急なので、下りでは足がすくむほどだ。
ここを慎重に下っていくと、終点からはロウアー滝が目の前に見える。苦労して下ってきた甲斐はあるが、ここから見上げる登り道を見ると、少々後悔してしまう…

レッドロック・ポイントより

ロウアー滝
しばらく休んだら、意を決して登り始める。急な階段が延々と続くので、ほとんどの人は途中で息絶え絶えとなって休んでいるが、私は、一歩一歩着実に登っていったら、一度も休まず登りきることができた(でも、かなり疲れるので、正直言ってあまりお勧めできない)。
そして最後に向かうは、道路の終点にあるアーティスト・ポイント(Artist Point)。ここも昼時とあって結構な混雑であったが、ここからの峡谷の眺めは大したもので、まさに絶景であった。

アーティスト・ポイント
これで、駆け足ながら大峡谷を周遊したので、続いては再びガイザー・カントリーに向かう。イエローストーン・レイク経由で周り込んでいくと、オールド・フェイスフルの手前に来たところで天候が回復し、青空が覗くようになってきた。ケプラー渓谷(Kepler Cascades)に寄り道したら、いよいよ間欠泉巡りだ。
まず向かったのはブラックサンド・ベイスン(Black Sand Basin)。陽が照っているので、エメラルド・プール(Emerald Pool)やレインボー・プール(Rainbow Pool)、サンセット・レイク(Sunset Lake)と、どれも非常に美しい彩りを見せてくれる。ここは小規模ながら見応えのあるところだ。

エメラルド・プール

レインボー・プール

サンセット・レイク
ここに車を置いて歩き始めると、まもなくブラックサンド・プール(Black Sand Pool)が現れ、その先、デイジー・ガイザー(Daisy Geyser)と呼ばれるエリアを抜けると、グロテスクなグロット・ガイザー(Grotto Geyser)が見えた。木を沈殿物が埋めたものらしいが、何とも奇妙な造形である。

ブラックサンド・プール

グロット・ガイザー
ここから人の数が急に多くなったが、そのまま北上してみると、しばらくで美しいモーニング・グローリー・プール(Morning Glory Pool)が登場。思ったよりも小さなものだが、やはりこの美しさは格別。思わず見惚れてしまいそうだ。

モーニング・グローリー・プール
この先はまた急に人がいなくなるが、アーテミシア・ガイザー(Artemisia Geyser)、ゲム・プール(Gem Pool)、ミラー・プール(Mirror Pool)と、それぞれに美しい見所を周っていく。こんなところが人知れずあるなんて、なんてもったいないことだろう。

アーテミシア・ガイザー

ゲム・プール

ミラー・プール
そして、先日訪れたビスケット・ベイスンを再訪問。2度目ではあるが、やはり晴れていると美しさは何倍にもなるもので、特にサファイア・プール(Sapphire Pool)の透明度は息を飲むほど。奇妙なシェル・ガイザー(Shell Geyser)などを含め、またも一通り眺めたのであった。

サファイア・プール

シェル・ガイザー

独特の模様
来た道を引き返し、グロット・ガイザーまで戻ったら、今度は木道に沿って南下していく。ジャイアント・ガイザー(Giant Geyser)、ビューティー・プール(Beauty Pool)、グランド・ガイザー(Grand Geyser)などの見所を巡りながら歩くと、活発な噴出を続けるソーマイル・ガイザー(Sawmill Geyser)で分岐が登場。ここを左折して川を渡れば、キャッスル・ガイザー(Castle Geyser)がもう目の前だ。

ソーマイル・ガイザー

キャッスル・ガイザー

オールド・フェイスフル・ガイザー
キャッスル・ガイザーの小噴出を拝見したら、ついに真打ち、オールド・フェイスフル・ガイザー(Old Faithful Geyser)に向かう。これはイエローストーンの象徴とも言うべき間欠泉で、ほぼ70分おきに40~60mの熱水を噴出することで知られている。ビジターセンターで次の予定時間を見ると、まだ30分ほどの猶予があったが、特にやることはないのでガイザー近くで待機。はじめのうちは人もまばらだったが、徐々に集まりだし、予定時間を迎える頃には観光客で一杯となった。いよいよだ。
予定時間が迫るにつれ、小規模な噴出が見られるようになったが、大噴出には至らない。いつになるかと固唾を呑んで見守るが、時間を過ぎてもまだ出ない…しかし、まもなく噴出が大きくなってきて、ついにブオーッと青空に向かって熱水が噴き上げた。この状態が数分続くが、やはり見応えがある。これぞ間欠泉だ。
大噴出を最後まで見届けたところで、最後にガイザー・ヒル(Geyser Hill)に足を向け、いくつもの間欠泉と温泉プールを見る。ここにはそれほど特徴的なものがあるわけではないが、こうなったら徹底的に間欠泉を見ようというわけだ。気がつけば陽が傾き、夕焼け空に噴き出す煙が幻想的であった。

ガイザー・ヒルから望む夕陽