イエローストーン3日目も天気が悪く、重苦しい曇り空だ。それでも、もう残り2日半しかなくなってしまったので、今日も仕方なく出かけていく。
再入園し、東へと戻っていったら、昨日飛ばしてしまったノリスを改めて訪れる。博物館を通過し、手始めにポーセレイン・ベイスン(Porcelain Basin)へ。間欠泉や、色とりどりの温泉(これらはバクテリアや藻類のせいらしい)の中をぐるっと歩く。小規模な噴出が見られ、間近にエルクが現れたりもしたが、一番良かったのは、実は端にあるポーセレイン・スプリングス(Porcelain Springs)越しの景色であった。

ポーセレイン・スプリングス
そのまま南下し、バック・ベイスン(Back Basin)に進むと、エメラルド・スプリング(Emerald Spring)とシスターン・スプリング(Cistern Spring)が美しい色を放っている。曇っていてこれなら、晴れていればもっと綺麗だろうに…

エメラルド・スプリング

シスターン・スプリング
ここもループ状に遊歩道が延びているので、一通り歩いてみるが、間欠泉は不定期なものばかりで、噴出する瞬間にお目にかかることはできない。世界最大の間欠泉とされるスチームボート・ガイザー(Steamboat Geyser)にいたっては、小規模なものは頻繁に出ているものの、大噴出の間隔は4日~50年というから仕方がない(その代わり、90~120mの高さに達するらしい)。諦めるより他になかった。
ノリスを見届けたら、また戻ってマディソンで左折し、いよいよガイザー・カントリーに入っていく。ただ、ノリスで痛感したのだが、間欠泉や温泉プールは、やはり晴天の中で眺めたい(美しさが違う!)。そこで、今日のところは仕方なく、近辺の滝を巡ることにした。

ミスティック滝
車でいったん拠点となるオールド・フェイスフル(Old Faithful)に出向き、超有名なホテル Old Faithful Innを見学。次いで情報収集に買い物にと、用事を片づけていく。この辺りはさすがに観光客が多いが、皆とても寒そうで、ほぼ全員(私も)ジャンパーを着込んでいる。ちょっと前まで40℃近いところにいたのに、今は0℃近く…季節外れの現象とはいえ、驚くべきことである。
用事が済んだら、少し北上してビスケット・ベイスン(Biscuit Basin)へ。ここから間欠泉や温泉プールを経由して奥に進む(まずまず美しいが、ここは改めて天気の良い時に訪れることにしよう)。すっかり人気のないトレイルを歩いていくと、道は徐々に登りとなってくる。沢に沿ってさらに進めば、やがてミスティック滝(Mystic Falls)が目に飛び込んできた。
それほど有名ではないだけあって、さほど素晴らしい滝でもないのだが、まぁ良い。少し登って滝を見下ろすように眺めたら、トレイルが上に延びているので、さらにジグザグに登り、丘の上まで上がる。展望地からは一帯の間欠泉が良く見え、所々煙が上がっているのがわかる。また、この辺りは1988年の大火災でかなりの森が焼失したが、その現在の様子もよくわかって興味深い。
ここで少し英気を養ったら、別の道をスイッチバックで快調に下り、元の駐車場へと戻っていった。

展望地からの眺め

フェアリー滝
続いては、非常にポピュラーなフェアリー滝(Fairy Falls)を訪れるトレイルを歩く。駐車場から橋を渡ってしばらくは、右手に大プリズム温泉(Grand Prismatic Spring)を見ながら平坦な道を進むが、真横からでは、この温泉の真の迫力を感じ得ない。よく航空写真で見かけるが、何とかこの全体像を俯瞰する術はないものだろうか…
雨が時折パラパラと降る中を歩いていくと、やがて分岐が登場。ここを左に進んで、さらに平坦なコースをゆく。この辺りも大火災の傷跡深いところだが、もう15年経っただけあって、火災後に芽吹いた木々が私と同じぐらいまで生長している。火災というのも悪いことばかりではなく、森の世代交代を促進するというメリットもあるのだ。
湿地帯を道なりに歩むと、しばらくでフェアリー滝が現れた。落差は約60m、白糸のような優美な滝である。ちょうど家族連れが去った後で誰もおらず、周囲をうろつくマーモット(Marmot)以外は静かだったので、ここで少し休憩とした。
普通はここで引き返してしまうが、まだ時間に余裕があったので、さらに奥のインペリアル・メドウ(Imperial Meadow)に足を延ばす。湿地帯を木道で抜けていくと、ほどなくして煙立ち込める間欠泉が見えてきた。これがスプレー・ガイザー(Spray Geyser)。小規模だが、なかなか頻繁に噴出している。ここから左にいけば、続いてインペリアル・ガイザー(Imperial Geyser)が登場。こちらは、どちらかと言えば温泉プールのようだ。

1988年の火災で焼失した森

スプレー・ガイザー

インペリアル・ガイザー
この先には、ツイン・ビュート(Twin Buttes)と呼ばれる小丘があるので、試しに登ってみる。現地のガイドブックにはトレイルがあるように書いてあったが、案外そうでもなく、道なき道を歩くはめとなった。途中の斜面には倒木が多くて歩きにくく、おまけに傾斜が見た目以上にあって体力を消耗。結局、両ビュートを結ぶ稜線に出たところで諦め、帰路についた。

ツイン・ビュートからの眺め
駐車場まで戻ったら、後は大人しく宿に帰る。快適に走行していると、途中でレンジャーがスピードを落とすように指示。まずい…と思ったが、これはアメリカの象徴、ハクトウワシ(Bald Eagle)の巣があるためで、この時はちょうど木の上にワシがいたのだ。今やアメリカ本土ではほとんど見られないので、これはラッキーであった。