昨日の約束を果たすため、日の出前にGoulding's Lodgeのキャンプ場を出発し、急ぎゲートへと向かう。ゲートの手前で陽が上がってきたが、ここから見るビュートと日の出の景色も壮観だ。

モニュメントバレーの日の出
そのまま中に入り、例のナバホ族の男を探すが、まだ来ていない模様。本当に約束を守ってくれるのだろうか…
すると、10分ほど遅れて、彼はちゃんと現れた。すぐさま彼の4WDに乗り換え、ツアーはスタート。これから3時間、写真映えする美しい場所につれていくという。どこに行きたいかと尋ねられたので、昨日見た写真で印象に残っていたところを話し、それらは是非お願いしたいと伝えた。先方は快諾。いよいよ楽しみになってきた。

スリー・シスターズ

トーテムポール
朝陽に照らされたビュートやスリー・シスターズを横目に走り、トーテムポールの展望台まできたところで、一般向けコースを外れて下り始めた。これがまたとんでもない悪路で、4WDでもかなり苦戦している。デコボコ道を揺れながら走り、砂の山越え谷越え進んでいくと、30分ほどで、広大な砂丘に出たところで停車。気がつけば遠かったトーテムポールが間近に迫り、凛々しいまでの姿を見せている。展望台から見たのとは大違い、砂の風紋も美しく、これぞ写真で見た絶景だ!!
彼は、時間を気にせず、思う存分写真を撮れと言ってきた。普段のツアーならこうはいかないが、今日は1人なので、お言葉に甘えて好きなだけ撮らせていただく。それにしても、実に惚れ惚れする光景である。
納得いくまで写真を撮ったら、再び悪路をひたすら走っていく。どこまでこの状態が続くのかと思っていたら、30分ほどかかってちゃんとした道に合流。ここからはサンダーバード・メサ(Thunderbird Mesa)に沿って、ツアーなら入れるコースを疾走し、不思議な穴の前で停車。ナバホ族にとっては神聖なものらしいが、ここでも、まだ誰もいないことをいいことに、写真を撮ったり、穴に近づいたりと、思いのままに楽しむことができた。
続いて、同じくような穴の開いたところにいくつか立ち寄り、じっくりと鑑賞させていただく。こういった造形がいくつも見られるというのは不思議だ。




不思議なアーチや穴が見られる
ツアーで見られる見所を一通り見物したところで、次に移るのかと思いきや、今度は何てことはないところで停車し、歩き出した。ノコノコ後ろをついていくと、岩にたどり着いたところで、ここから写真を撮れと言ってきた。何かと思って覗いてみると、その岩に開いた「窓」から、ビュートがいくつも眺められる、モニュメントバレーらしい景色が広がっていた。これは明らかに写真向けだが、悪くないので馬ともども激写したのであった。

「窓」から眺めるビュート
これで結構満足であったが、ちょっと気になることがあった。まもなく3時間になろうとしているのに、肝心のミステリーバレー(Mystery Valley)にはまだ行っていないのだ。確か、これは少し離れた場所にあると言っていたが…不安を抱えながらも、車は帰路につき、そしてビジターセンター前に着いたとたん、信じられない言葉が発せられた。「これで終わりだ」。
ええぇっ、それは困る。まだミステリーバレーに行っていないじゃないか!直ちに問いただすと、もう時間切れだと言う。確かにそうだが、是非とも行きたい、とお願いすると、しばらく考えた挙句、しぶしぶ承諾してくれた。どうやら悪い人ではないようだ。
車はいったん園外に出て、車道を走った後、またも一般車が入れない道へと入り込んでいく。未舗装路で、進むにつれて悪路になっていったが、無理やり頼んだ以上、文句は言えない。かなりきつい傾斜を乗り越えると、ついに展望が開けて、写真で見た景観が広がった。陽が上がり、だいぶ色あせてきているだろうが、来られただけでも満足であった。

ミステリーバレー
これを写真に収めたら帰途につき、無事ビジターセンターへと戻る。最後は、感謝の気持ちを込めて多めにチップを預け、堅い握手を交わしてお別れとなった。
いったん腹ごしらえをしたら、改めてバレードライブを走ってみるが、あのツアーの後だと、もうさすがに大感動とはいかない。もうこれで、モニュメントバレーは十分だろう…そんな感慨を抱き、園外へと去っていった。
しかし、今夜はまだ近くのキャンプ場に泊まるので、ここからは少し北へと走り、先日通過してしまったバレー・オブ・ザ・ゴッド(Valley of the God)と呼ばれる景勝地を訪れることにした。ここはモニュメントバレーを小型にしたような風景が続くとのことで、暇つぶしには良いだろう。
国道163号線を通ってメキシカン・ハットを過ぎ、標識に従って左折、未舗装路を入る。このところ問題なく走れているので大丈夫だろうと、軽い気持ちで運転していった。が、工事中ということもあって、かなりの悪路となっている。スタックしそうなほど土砂があったり、工事用車両が邪魔して通行困難な場所もある。何とかクリアしていくものの、道はいっこうに良くはならず、苦戦の連続。油断して入ってしまったが、2WDですべきことではなかった…しかし、今さら引き返すわけにもいかず、この先で舗装路に抜けられることを祈った。
道中の景色は思ったほどのものではなく、しかも途中からすれ違う車が皆無になったので、全くもって心もとない。溝にはまったりして帰れなくなったら終わりだ。事故を起こさないよう慎重に運転していくが、なかなかゴールは見えない。大丈夫だろうか…不安がこみ上げてきたが、しばらく走ると悪路は終わり、比較的走りやすい道になってきた。ほっと一安心して先を急ぐと、まもなく舗装路に合流。やれやれ…かなり危ない目にあったが、こうしてなんとかモニュメントバレーに戻ることができた。

バレー・オブ・ザ・ゴット