ここブライスキャニオンは標高が2000m以上あるので、これまで苦しめられてきた暑さとは無縁だ。快適に目覚めたら、さっそくゲートを通過し、North Campgroundに向かう。実はここが初めての「先着順」キャンプ。スペースを確保できるか心配だったが、さすがに朝早くから訪れる人はおらず、首尾よくスペースを確保することができた。
宿泊場所が決まったら、すかさずリムに出て、尖塔群を眺める。こんな近くでも、数々の尖塔が見られて感動的だ。これらは、隆起した台地を川や雨などが浸食してできたものだが、その姿かたちから、どうしてもニョキニョキと生えているように見えてしまう。実に不思議な造形である。

キャンプ場近くの尖塔群
混みあう前に出かけたかったので、準備が整ったらすぐに出撃。まずはサンライズ・ポイント(Sunrise Point)に向かうが、ここからの風景が既にすごい。まさに尖塔づくしといった景観で、いきなり魅せられてしまった。

サンライズ・ポイント

クィーンズ・ガーデンを見下ろす
しばらく展望台から眺めていると、徐々に混み始めたので、続いてクィーンズ・ガーデン(Queen's Garden)へ歩いて下りてみる。尖塔を縫うように歩くと、上から見るのではわからない世界が広がり、見晴らしの良い場所に立つと、周囲の尖塔群が素晴らしい造形を見せてくれる。下るにつれて、先ほどまで見下ろしていた尖塔群を見上げるようになり、様々な形が現れては消えていく。変化に富んでいて、実に素晴らしい!

尖塔を見上げるようになる

トンネルを抜けて
小トンネルを抜けてさらに下ると、クィーンズ・ガーデンと呼ばれるエリアに入ってきた。ここで斜面に取りつくコースがあるので、適当に歩いてみると、ニョキニョキとした尖塔がそこかしこに現れ、飽きることがない。いつまでも見ていない気分であった。

核心部に入ってくる

城のようにそそり立つ
ここでクィーンズ・ガーデン・トレイルは終了。わずか3km、1時間ほどで終わってしまったので、このまま下ってさらに奥へと歩いていく。しばらくは見所が乏しかったが、ナバホ・ループ・トレイル(Navajo Loop Trail)との分岐まで来たので、今度はこのトレイルに入っていく。狭い峡谷を抜けると一気に視界が開け、雷神のハンマー(Thor's Hammer)と呼ばれる岩をはじめ、数々の尖塔が姿を現した。ここも素晴らしい。

ナバホ・ループ・トレイルを登る

トレイルを振り返る

サンセット・ポイント
サンセット・ポイント(Sunset Point)に上がって一休みしていると、多くの家族連れがトレイルを歩いているのがわかる。中には年端もいかぬ子供が元気に走って、親を困らせていることも…日本人観光客が展望台にしかいないのとは大違いだ。

ウォール街へ下る

雷神のハンマー
再スタート後は、いきなりウォール街(Wall Street)と呼ばれる谷底への急下降となるが、そこを難なく下っていくと、ほどなくして先の分岐に帰着する。ここもあっさり終わったので、さらに奥へと向かい、最も美しいトレイルと言われるピーカブ・ループ(Peekaboo Loop)を歩くことにした。
分岐からピーカブの西側のコースに入ると、少し高度を上げたところで、眼前に円形劇場(Amphitheater)と呼ばれる尖塔群が広がりだした。これには恐れ入った…一面、ニョキニョキ生えたような尖塔ばかり。圧倒的なまでの光景に目を奪われ、思わず脱帽。文字通りかぶっていた帽子を外し、頭を下げるより他になかった。

円形劇場の絶景に脱帽!
ここまで来ると、歩いている人の数も極端に減るので、思う存分情景を味わうことができる(ただし、時々乗馬ツアーが通る)。この先も、反り立つもの、城門のようなもの、窓の開いたものなど、変化に富んだ尖塔群が見られ、気分は最高潮に達した。

城のような尖塔

窓が開いている

馬も通る
すると、ループ・トレイルの分岐に到達。ここから上がってしまっても良かったが、まだ東側のルートを通っていないし、西側はもう一度歩いても良いコースなので、ここから一周して断崖の上に上がることにした。
東側のコースは、西側と比べると少々変化に乏しいが、それでも快適な道のりである。再び西側に入ったら、改めて大感動の景観を目に焼きつけ、いよいよ登りにかかるのであった。

東側を望む

ハンマーのようだ

そそり立つ尖塔

実に変化に富んでいる
登りは急ではないものの、かなり巻いて登っていくので、近いように見えてけっこう遠く感じる。そこを着実に歩いていくと、次第に展望が開け、リムも迫ってきた。最後は廻り込むようにして登りが終了。ここから少し歩いてブライス・ポイント(Bryce Point)に向かった。
この展望台は有名だけあって、多くの観光客でごった返していたが、キャニオン全体を見渡せるだけあって、素晴らしい展望が広がっている。先ほどまで、あの谷の底を歩いていたとは信じられないほど。見事というほかない。

ブライス・ポイント
陽が傾きだしたところで、ここからは崖の淵に沿って歩いていく。右手に尖塔群の大展望を見ながら歩くのは、何とも言えない贅沢だ。途中のインスピレーション・ポイント(Inspiration Point)も、有名なだけあって混んでいたが、さすがに美しい。ニョキニョキの尖塔が所狭しと生えていて、目を疑うほどの密集度だ。

インスピレーション・ポイント
夕陽に染まる風景を見届けたら、後はリムに沿ってキャンプ場に戻っていった。それにしても、初日から凄かった…まさかこれほど魅力的とは思っていなかったので、もうお腹一杯だ。今日で最もメジャーなエリアはひとしきり周ったので、明日以降はさらに隠された場所を訪れ、もっと魅力を引き出すことにしよう。