ナミブ砂漠を見終えて脱力感一杯だったが、実は今日が2度目の食事当番だったので、セスリエムに戻ったら急いで食事の準備をする。そして、強風で砂まみれになったテントを掃除したり、食事の後片付けをしているうちに時間になってしまい、1人だけプールに入る機会を逃してしまった。なんとかシャワーだけ(1分ぐらい)浴びられたから良かったものの、危ない危ない…
さて、これにてナミブ砂漠とはお別れで、ここからはナウクルフト山地(Naukluft Mountains)に沿って南下していく。この辺りは岩山の連なる景色が続くが、さすがにナミブ砂漠を見た後では見劣りしてしまうので、疲れもあって転寝してしまう。やがて峠を越えると、今度は広大な台地が広がるようになったが、車窓としては単調で、眠気に拍車がかかりそうだ。

ナウクルフト山地
トラックは延々走っていくが、ヘルメリンガウセン(Helmeringhausen)で左折した頃にはもう、陽が暮れようとしていた。今日はブッシュ・キャンプだと聞いていたが、どこに泊まるのだろう…と、ここで車は車道を外れ、道端に停車した。本当に何もないところだが、どうやらここで寝泊りするらしい。てっきり森の中でキャンプすると思っていたので、肩透かしを食らった気分だが、食事当番もあって疲れがたまっていたので、寝るのに苦労はなかった。
そして翌日、朝食を終えたら速やかに出発。ベタニエ(Bethanie)で小休止を取ったら、さらに南下を続けて舗装路にやって来た。ここを左折し、ひとまずキートマンスフープ(Keetmanshoop)方面に向かうと、続いては鉄道に沿って再び南下していく。こうして、昼前にはフィッシュリバー・キャニオン(Fish River Canyon)の入口、ホバス(Hobas)に到着した。
ここで入園料を支払ったら、さっそくメイン・ビューポイント(Main Viewpoint)に向かう。現れた渓谷は、アメリカのグランドキャニオンに次いで世界第2の規模らしいが、深さは550mほどなので、本家の足元にも及ばない。何をもって大小を測るかにもよるが、これより迫力のある渓谷は他にもあるだろう。
この展望台からは、正面にヘルズ・コーナー(Hell's Corner)が見えて良い眺めだが、あいにく雲がかかって見映えが悪い…と、ここで1時間半の猶予が与えられ、奥にハイカーズ・ビューポイント(Hikers' Viewpoint)があると教わったので、そこまで歩いてみることにした。
とりあえず淵に沿って歩き出すと、渓谷の様子がわかって面白いが、雲は取れそうでなかなか取れない…結局30分足らずで展望台に到達したが、眺め自体は今ひとつだ。ただ、ここからは渓谷に下りるトレイルが延びており、トレッキング気分をそそられる。ここからアイアイ(Ai-Ais)まで、5日かけて谷底を歩くコースが人気らしい(ただし冬季限定)ので、いつの日か歩いてみたいものである。

ハイカーズ・ビューポイントより
やがて他の人たちも続々と歩いて来たが、もうすぐ晴れそうで晴れないので、まもなく皆帰途についてしまった。しかし、私は粘りを信条にして、これまで数々の名場面を目撃してきたのだ。ここで妥協するわけにはいかない…
と、さらに粘ること15分、ようやく雲が退いて、晴れ間が広がるようになった。こうなればしめたもの! もう時間がないので、競歩のごとく急ぎ足で引き返していくが、ヘルズ・コーナーも、渓谷全体も綺麗に眺めることができ、一件落着であった。

ヘルズ・コーナーを望む

メイン・ビューポイントより
しかし、こうしてギリギリに戻ったというのに、ホバスに帰ると、ここで昼食も兼ねてのんびり過ごすことになった。こんなことなら、もっと渓谷に時間を費やしてくれればよかったのに…
ともあれ、これでフィッシュリバー・キャニオンともおさらばで、ここからは一気に南下し、夕方には国境を流れるオレンジ川(Orange River)の畔、Felix Unite Campsiteに入っていった。ここで明日カヌーをするそうだが、このキャンプ場は芝生が敷かれていて気持ち良い。川を望む眺めも良くて、今まででも最上級のところであった。
そして、次の日は朝からカヌーに繰り出し、検問の手前で川原に向かう。ここで簡単な操作法を学んだら、さっそく2人1組(例のイギリス人と一緒)で航行開始。雲が多いのは残念だが、流れが非常に緩やかで、国境にいるとは思えない静けさだ。

カヌーの準備中

オレンジ川をのんびり下る
しばらくはのんびり漕いでいくが、こんな大人数でのほほんと過ごしていたら、何も起こらないはずはない…まもなく、若者同士の競争が始まり、続いて水掛合戦が勃発した。接近すると、どちらともなく水を掛け合うものだから、たちまちびしょ濡れだ。結構暑いので、心地よい面もあるが、これは予断を許さない展開である。

近寄ると危険…
何度となく掛け合いが続き、皆すっかり濡れてしまったが、気がつくとガイドが私の目の前に移動してきて、パドルでもろに漕いだ。ビシャー! そして撃沈…ガイドだと油断したのがいけなかったが、これではもう、転覆したのと同じような有様になってしまった。
こうして優雅で激しい(?)カヌーを満喫したところで陸に上がり、小休止。ここで軽食を取って英気を養うが、この先は危険な箇所もあるとのことなので、用心しないといけない。
そして再び漕ぎ出すと、いよいよ難所が迫ってきたので、ガイドの指示に従って無事突破。その先には、最後にして最大の難関が待ち構えていたが、ここもバランスを崩さぬよう注意しながら進むと、意外にあっさりと通過することができた。なんだ、体力は結構使ったものの、案外楽勝だ。
これでもうキャンプ場の下まで来てしまったので、カヌーはめでたく終了。わずか3時間足らずだったが、まぁこんなものだろう。後は自由時間になったので、木陰やテントの中でのんびり過ごして、ナミビア最後の日を終えたのであった。

キャンプ場からの眺め