エトーシャでは、日没から日の出までの間、サファリが禁止されており、その間は各キャンプ場も含めて閉鎖されている。しかし、サファリをするなら早朝か夕方なので、この日も日の出前に出立し、開門を待って出かけていった。
他の車は続々と右折していくが、我々は左折してフィッシャーズ・パン(Fischer's Pan)に向かう。さっそくキリンやバーチェルシマウマ、スプリングボックが現れて悪くないが、まもなくライオンが登場した。しばらく様子を窺うものの、距離が遠過ぎるので断念。残念だが、この先に期待するとしよう。

シマウマの親子
しばらくでツウィー・パームス(Twee Palms)の水場にやって来たが、ここにはヌーがいるだけで、すぐに退散したので先に進む。さらに奥にはダチョウやゲムズボックの群れがいて、早くもかなりの種を見ることができた。

水場のヌー
すると、ここで分岐に差しかかったが、目の前で雄ライオンが佇んでいるではないか。これはチャンスとばかりに右折し、しばし様子を窺うが、その目の前にはゲムズボックがいる。忍び足で近づいているので、どうやら狙っているようだが、まだ距離があるうえバレバレで、ゲムズボックも警戒している。こんなことで成功するのだろうか…
と思ったら突然、草むらから雌ライオンが駆け出し、唸り声とともにゲムズボックに迫った。慌てて逃げるゲムズボック、追うライオン! しかし、後一歩のところまで迫ったものの、ゲムズボックの逃げ足が一歩上回り、狩りは失敗に終わった。

追うライオン、逃げるゲムズボック! [→
スライドショー]
しかし、こんなハンティングが目の前で繰り広げられ、興奮を隠しようがなかった。私は無我夢中でシャッターを押していたが、幸いにも撮影に成功。これまで散々サファリを楽しんできたが、ハンティングを目撃したのは初めてで、しかもその模様を激写できたのが何より嬉しかった(これで、他のメンバーからも一目置かれるようになった)。
こうして何とも言えない緊張感から解放されると、ダミー役を演じた雄ライオンが、ゆっくりと近づいてきた。アクビもしたりして眠そうだが、雌ライオンとともに腰を下ろし、まったりしている。狩りの反省でもしているのだろうか。

アクビする雄ライオン

まったりしている
しばらくで、他の子供たちや雌ライオンも登場し、雄ライオンの元に駆け寄ってきた。想像していたより大きなプライドだ。彼らもきっとお腹を空かせているのだろうが、収穫がない以上、どうすることもできない。これが自然の掟というものだ。
そうこうするうちに車が増えてしまい、ライオンたちも迷惑そうにこちらを見ている。嫌気が差したのか、子供たちから先に去っていくが、非情にも車は追い続けていく。我々のトラックも先回りして近づくが、子供たちは怖がっている模様。何だか申し訳ないが、ここは写真だけ撮らせてもらった。

人間に驚く子供たち

雄ライオンがゆく
やがて雄ライオンも去っていったので、我々もここを去り、ドライブを続ける。しかし、この先はろくに動物を見かけることもなく過ぎていき、ついにキャンプ場に戻ってしまった。後半は残念だが、それでもハンティング・シーンを間近で目撃できたので大満足。かなり遅めの朝食を取り、テントを畳んで移動を開始した。
すると、トラックはまもなくチュドプ(Chudop)の水場に寄り道するが、ここにはたくさんのスプリングボックがおり、戦闘の真似事をしたりして遊んでいる。他にもゲムズボックやクドゥ、キリン、シマウマなどもいて、水を飲んだり、ナンパしたりしているが、その様子を見ているだけで面白い。水場での観察というのも、なかなか興味深いものだ。

水場に集まるスプリングボック

突然戦闘が始まった

ゲムズボック

喉が渇いたらしい

クドゥのメス

クドゥのオス
しかし、ここを過ぎると動物が急に少なくなってしまった。カルクヘウェル(Kalkheuwel)でキリンとシマウマを見かけたものの、他の水場に寄っても見当たらず、道中でも、時折遠めにスプリングボックやシマウマが見える程度だ。もうだいぶ暑くなっているので、どこかの木陰にでも隠れているのかもしれないが、単調な展開に眠くなってしまった。

キリンとシマウマ
やがて、右手には広大なエトーシャ・パン(Etosha Pan)という塩性湿地が見えてきた。公園の1/3を占めるだけあって、見渡す限り広がっているが、ここでトイレ休憩となり、しばしパンの眺めを満喫する。昼になってかなり暑いが、この眺めは壮観であった。

エトーシャ・パン
こうして今日の宿泊地、Halali Rest Campに到着すると、目の前にはプールが広がっていた。この誘惑に負けたのか、半分ほどの人たちは午後のサファリに行かないと言い出す。個人的には、せっかく高い金を払っているので元を取ろうと思ってしまうが、他人にとやかく言っても仕方がない。昼食を取ったらのんびり過ごして、午後の部に備えた。
そして、3時前に再び出発し、広大な草原を見ながら疾走していく。まもなくスプリングボックの群れと遭遇したが、車はそのまま走り続け、やがてエトーシャ展望台(Etosha Lookout)に進んでいった。ここはエトーシャ・パンに突き出すように作られており、干上がった様子を間近に眺めることができる。ここは車から降りても良いので、小休止を取って広大な眺めを楽しんだ。

スプリングボックの群れ

エトーシャ展望台より
だが、ここから元に戻ると、遠めにゲムズボックやハーテビーストを見つけたものの、他にはあまり収穫がない…どうもエトーシャは両極端に出ることが多く、たくさん見かけたかと思うと、全然成果がない場合もあって、なかなか難しい。

ハーテビースト
結局、大した収穫もないまま帰途につくと、キャンプ場手前でキリンがすぐ脇にいて、こちらに驚いて走り出した。その優雅さと言ったら何とも言えず、それまでの不作を忘れてしまうほど。やはりプールでだらだら過ごさず、サファリに出かけて良かった。

脇を走るキリン