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旅巧館旅行記アフリカ

旅行記:アフリカ編(世界自然旅)

序.デザートのつもりが…

 追加決定

 アフリカ――人類発祥の地と言われ、数多くの動植物が生息する大自然の宝庫。しかし、私にとってはまさに「暗黒大陸」であった。

 アフリカと聞いて思い浮かぶのが、治安の悪さ、原因不明の疫病、限られた交通手段。都市部を中心とした治安の悪さは有名で、白昼堂々強盗団に襲われたりするという。未だ原因不明の疾病もあると聞き、不用意に立ち入るのは難しそう。加えて交通手段も限られるとあらば、とても普通に観光できないのではないか…そう考えて、この「世界自然旅」開始時には対象外とせざるを得なかった。

 ところで、この旅の構想を発表した時、呆れられたり、羨ましがられたり、冗談だと思われたりしたが、最も多かった感想は、実は「アフリカには行かないのか?」というものだった。確かに、オセアニア北米南米ヨーロッパアジアと旅をしながらアフリカにだけ行かないのは不自然だ。それに、旅をするうちに、意外に多くの人がアフリカを旅行していることを知った。自分が思い描いていたアフリカは、情報不足の中である種の偏見に包まれていたのだと、ようやくわかってきたけれど、それでも最初のうちは、まだまだリスクが高いと思い、肯定できる状態ではなかった。

 その転機となったのが南米旅行であった。初めての途上国の旅…盗難という手痛い洗礼を浴びたけれど、途上国を旅すると、様々な人種や文化、風俗に触れることができ、実に刺激的だ。自然のスケールも壮大で、まだ型通りのツアーが少ない分、ダイナミックな楽しみ方ができる。それで物価も安いとなれば、こちらの方が断然面白い。こうして、無事に南米から帰ったところで、ついにアフリカ行を決心し、アジアの後、2005年前半に行くことを追加決定したのである。

 もともと、自分の中ではアジアで、最後にヒマラヤの雄姿を堪能したところで終わりであったから、今度のアフリカ旅行はご褒美。料理で言えばデザートのようなものだと思っている。

 想像以上の困難

 しかし、いざ具体的な旅行の計画を考える段になると、想像以上に困難であることがわかってきた。

 まず、心配していた疾病については、確かにマラリアやコレラなどが発生しており、ワクチンがあまり有効でないのもわかっていたが、最も重要なことは予防。蚊に刺されないようにしたり、不衛生な食事や生水を取らない、不用意に池や湖で水浴びしない、裸足で歩かない、傷口を放置しない等、いくつか気をつければある程度防ぐことは可能で、南米やアジアの衛生状態の悪い所とそう大差はない。原因不明の風土病にしても、一般の旅行者が訪れるようなところではまず問題にならないので、これまでの延長線上で考えれば、そう極端にひどくはないようだ。

 交通手段にしても、もちろんバスが少ない地域もあるが、その場合は乗り合いトラックという手段があるし、だいいち観光地にはたいていツアーが出ているので、それを利用することも可能だ。内戦をしているようなところには立ち入れないが、それは避ければ良いだけの事。これもアジアと同程度と考えて差し支えないだろう。

 問題は治安…これは正直言って、想像をはるかに超えるものだった。田舎は治安もそう悪くなく、素朴な人が多いと聞くものの、都市部に関しては、ここ数年でさらに悪化しており、もう手が付けられないほどひどい。アフリカの場合、様々な地域で内戦が起きている影響で銃が拡散しており、しかも経済的に豊かな国は少ない(豊かだとしても貧富の差が激しい)ので、職を失った人が都市にあふれ、すぐに強盗と化してしまうのである。

  特にひどいのは南アフリカ(South Africa)のヨハネスブルグ(Johannesburg)とケニア(Kenya)のナイロビ(Nairobi)で、ここは世界一治安の悪いところと言われている。夜間はもちろん、昼間でも普通に強盗が現れ、金品を奪っていく。抵抗しようものなら殺人も辞さず、室内にも押し入ってくる。昼間でも一人歩きはもってのほか。数人でも、相手が集団でかかってきたら命がないかもしれない…旅行者は目立つので、たとえ貧乏でも狙われるのは必至。ここでは、冗談でなく命を失いかねないのだ。

 これまで、南米をはじめとして治安の悪いところを多少なりとも旅してきたが、それでも、アフリカの都市部の現状を知るにつれ、恐ろしくなってきた。それは情報を集めれば集めるほど強まるばかりで、不安は容易には拭えない。これまでで最も危険だったのは南米のベネズエラだと思うが、それを越えるようなところがいくつもあると思うと、出発を前にした今でも、心中穏やかではない。

Binoshot CV-4

 覚悟を決めて

 と言うことで、とても「デザート」とは言えない状況なのだが、こうなったらもう覚悟を決めて行くしかない。今回はエジプト(Egypt)のカイロ(Cairo)から入り、東アフリカ、南部アフリカと、比較的(欧米の)ツーリストが多く旅行しやすいエリアを選んでいるので、最悪の事態は避けられるのではないか、いや、避けたい…と思っている次第である。

 ただ、今回はあまり具体的なプランを決めていない。いちおう4ヵ月ほどかけて、ケニア、タンザニア(Tanzania)、ジンバブエ(Zimbabwe)、ナミビア(Namibia)などに寄りつつ、最後は南アフリカのケープタウン(Cape Town)から帰途につく予定だが、まだ情報不足は否めないし、現地に行って状況が変わる可能性もあるので、臨機応変に対応するつもりである(もっとも、スケジュールを立てたところで、その通りに動けるわけがないのだが)。

 また、この2年で装備もかなり傷んできたが、これは本当に最後の旅なので、靴や服など、ほぼそのままの陣容で出かけることにする(いざとなったら現地調達)。そんな中、今回唯一、最終兵器(?)として購入したのがビノショット CV-4。これはデジカメ機能付の双眼鏡で、サファリでの動物観察などで活用しようと考えている(従来の一眼レフデジカメは、あまり機動力がない…)。

 ともあれ、これで「世界自然旅」もいよいよ最後になるので、これまでの経験を生かしつつ、命を落とすことのないよう気をつけながら、旅をしたい。

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