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旅巧館旅行記アフリカ

旅行記:アフリカ編(世界自然旅)

終.終わりなき旅

 サファリと砂漠は良かったけれど…

 こうして、4ヵ月に渡るアフリカ旅行から帰国し、無事旅を終えることができた。

  アフリカというと、どうしても治安の悪さをイメージしてしまうが、実際に旅をしてみると、ほとんどの黒人は陽気で親切だった。一部の都市や観光客に群がる者どもを除けば、良い人が多かったと思う。やはり経済や貧困が、人を犯罪に駆り立てるのだろう。

  ただ、アフリカの街は日が暮れると急に人通りが途絶えるうえ、街灯もろくにないので、とても出歩く気にはなれなかった(これは、実際に体験した者でないとわからない)。また、物価がとても高く、観光費用はもちろんのこと、日用品すら高くて驚かされた。

  観光のインフラは思っていた以上に整っていて、欧米の旅行者は、年齢を問わず多数旅行していた(日本人は少ない)。移動も想像していたほど大変ではなかったものの、満員にならないと発車しないのはどうかと思う…どうせ途中から乗ってくるのだから、何時間も待って、ぎゅうぎゅう詰めになってから出発するより、8~9割埋まったら出るようにすれば良いのに、と思ってしまった。

  そして、肝心の見所はと言うと…確かに、それなりに良かった。特にサファリと砂漠は素晴らしく、アフリカ旅行の醍醐味を味わうことができたけれど、その他は、大感動というほどではなかった気がする。そのため、実は後半は惰性で旅していた感があり、帰国した後のことを考えることも多かったのである。

 もっとも、これはアフリカが悪いというより、南米やアジアなど、今までいろいろな所を周り、もの凄い自然を見てきてしまったため、個人的に感動度が落ちてきているせいだと言えよう。その意味では、ここで旅を終えるのはちょうど良いのかもしれない。

 旅を振り返る

 ともあれ、これで「世界自然旅」はめでたく完結したわけだが、旅を終えた心境としては「ついにやり遂げた!」という達成感と、「もう終わってしまったのか…」という失望感が入り混じっている。「こんなことをしていて大丈夫なの?」とか「それで何の意味があるの?」などと揶揄されながらも、各大陸を周り、予定通り旅を終えることができて、ホッとしているというのが正直なところだ。

  「世界7大陸を股にかけた2年半の旅」と書くと、なんだか壮大なことをしたように思えるが、実際には、訪れた国はわずかに33ヵ国。歴史に残るような大冒険をしたわけでなく、人類未踏の秘境を訪れたわけでもない。ただ普通に観光できるところを、少し長く旅したに過ぎない。

  普通のバックパッカーと比べて、かなり精力的に旅行したとは思うが、それだけの価値があったのか、と問われると、今は何とも言いようがない。確かに、これまでいろいろなところを周り、自然の壮大さと環境破壊の深刻さ、歴史の問題、文化や民俗のこと、社会の格差など、考えさせられることは多かった。自分の中で最も弱かった「実体験」を補うこともでき、少しは揉まれたと思う。しかし、考え方が根本的に変わったとか、生きる指針が見つかったとかいうことはなかった(むしろ、今までの自分の考えを、旅を通じて確認していたような気がする)。その意味では、この旅をしたことで明らかな成果があったかというと、答えに窮してしまう…

  もっとも、今回の旅は「生きることの本質を探る」という極めて抽象的な目的で行ったので、もともと明示的な成果や効果を期待していたわけではない。これからの人生のエートスになるようなものが得られればと思ってのことなので、この経験を生かすも殺すも、今後の自分次第なのだろう。

 これにて「封印」

  この2年半の旅では、時期や政情の問題で完全ではないものの、もともと行きたいと思っていた場所にはある程度行くことができた。しかし、皮肉なことに、旅をすることで行きたいところが増えてしまった…旅の過程で、今まで知らなかった魅力的なところを知り、あるいはもっと効果的な周り方を学ぶことで、既に3年分以上の旅がストックされている。旅に終わりはないのだ。

  でも、もう資金が尽きかけているし、どこかで区切りをつけないといけないので、ここでいったん「封印」せねばなるまい。今後、また同じような長期旅行をするか(できるか)はわからないが、残りは人生の楽しみに取っておくとしよう。

  当たり前のことだが、この旅は多くの人に支えられて続けることができた。呆れながら見守っていた家族、旅先で知り合った人、旅行会社の人、ネットでたまたま見てくれた人…そして故障もなく動き続けてくれた一眼レフデジカメ、ひどい振動にも耐えたPC、壊れかけの靴、重いバックパックなど、全てに謝意を表したいと思う。ありがとうございました。

  そしてこれからは、旅の成果を還元するような成果物を作成した後、日本社会に適応していくつもりである。「勝ち組」「負け組」などと言われ、大量のフリーターやニート(私も、統計上は「ニート」に分類されるらしい)が漂流している時代に、一度レールを外れた者が復活できるのか、大いに不安だ。もう、昔のような超多忙サラリーマン生活には戻れないかもしれないが、どうか暖かい目で見守っていただければ幸いである。

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