翌朝、起きてみると不思議なこと(?)に、雲の合間から青空が覗いていた。山々には雲が多いものの、これなら谷沿いの道は問題なさそうだ。そこで、天気が悪ければバスを使うことも考えていたが、ここは予定通りケズィック(Keswick)まで数時間かけて歩くことにした。
朝食後、YHAを出てバローデイル(Borrowdale)の沢沿いの道を歩いていく。平坦で歩きやすく、おまけに湖水地方らしいのどかな牧草風景が広がっている。やはり湖水地方に関しては、山に登るよりも郊外を散策するのが一番だ。時間はたっぷりあるので、ここはのんびりと散歩気分で歩いていった。
1時間ほどでグランデ(Grande)の町に出ると、いったん車道に出て、再びトレイルに入るとまもなくダーウェント・ウォーター(Derwent Water)が目の前に現れる。この辺りは湖水地方随一と言われる景勝地。さすがに散策している人も多くなったが、それでも「混雑」というレベルではない。時に休憩しながら、ゆっくりのんびり湖岸沿いを歩いていく。一度、誤って本道から外れて湖岸を進むと、そこは湖を望む展望地で、正面にスキドー(Skiddaw:930m)とケズィックの町を従え、湖には飾りのような小島が浮かんでいる。ここで大休止とし、しばらく何もせずに佇んだのであった。

ダーウェント・ウォーター

展望地より
元の本道に戻ると、後は林の中を歩くことが多くなり、湖の展望はあまり望めなくなってしまった。仕方なく黙々と歩き、やがて湖の北端に出て、ケズィックへと歩いていく。もう町は目の前だが、その手前の風景もなかなか悪くない。のどかな田園風景が広がり、心からの感動とはいかないまでも、のんびり過ごすには良いところだ。そして、トレイルはケズィックの町に導かれていった。

ケズィック近郊にて
ケズィックにやってくると、さすがに湖水地方北部の拠点だけあって、町も人も賑やかで驚かされる。ここで昼食を取るが、まだ戻るには早い時間だったので、おまけで郊外のストーン・サークルに行ってみることにした。
町を東に歩き、しばらくして坂を上がっていく。この辺りも、少し町を外れただけでのどかな景色が広がり、くつろぐには良いところだ。そんな中、目的のストーン・サークルに到着。それほど人は多くないが、お目当ての品は…まぁこんなものか、という感じ。高台の上にあって場所は良いのだが、予想通りというか、これ自体は石がサークル状に並んでいるだけなので、それほど感銘を受けるわけではない。石の周りを周回したら、早々に帰途についた。

ストーン・サークル
バス停まで歩き、そこからはアンブルサイドへバスに乗って帰る。このルート上も景勝地として有名で、確かに湖水地方らしい風景が広がっている。もっとも、ここは交通量がとても多いところなので、歩きや自転車ではうるさくて仕方ないだろうが。
辺りの景色を楽しみながら、無事アンブルサイドに到着すると、預けておいた荷物を受け取り、すぐさまウィンダミアに向かう。バスはボウネス(Bowness)経由でウィンダミア着。少し待つと遅れていた列車がやって来て、比較的タイミングよく乗車でき、湖水地方を後にしたのであった。
ウィンダミアからは、しばらく南下してプレストン(Preston)で乗り換え、その先のワリントン(Warrington)で再び乗り換えて、ウェールズの先端、ホーリーヘッド(Holyhead)に向かう。湖水地方滞在中に、今回は駆け足でアイルランド、スコットランドと周遊することに決めたので、ウェールズは通過して、アイルランドのダブリン(Dublin)行フェリーが出るホーリーヘッドに一気に行こうというわけである。
車窓の景色を眺めながら、ホーリーヘッドに到着したのは夜の8時過ぎ。ちょうどこの日最後のフェリーが出てしまった後なので、ターミナルは閑散としている。しかし、今回の目的は夜行フェリー、深夜2時半発の便(これなら移動時間と宿泊代を節約できる!)なので、さっそくチケットを購入し、後はターミナルで出発の時を待った。
そして、2時前にチェックイン開始。荷物チェックをパスして乗船、すぐさまソファーを確保し、フェリーの出発とともに眠りについたのであった。