ダラダラの移動は苦痛だったが、どうにか耐え忍び、2時間ほどでパジェに到達できた。もう腰も痛いが、やっとの思いで荷台から抜け出し、例の男とともに下車した。
ここから北に向かって歩き出すが、男は「自分の宿に泊まっていかないか」と言い出した。なるほど、そういうことだったか…しかし、今回は日本人が経営するParadise Beach Bungalowsに泊まると決めていたので、少々安いぐらいでは駄目。宿が気に入らなかったら考えると煙に巻いて、目的の宿に向かった。
宿にやって来ると、アポなしだったが無事部屋を確保。てっきりバックパッカーであふれ返っていると思ったら、今はシーズンオフなのか、意外に人は少ないようだ。日本人も私以外、学生が1人いるだけで、ちょっと拍子抜け。しかも、オーナーの三浦さんはお出かけ中らしい。なんだかタイミングが悪いが、こればっかりは仕方ない。

パラダイス・ビーチ・バンガロー
ひとまず昼食をいただいたら、部屋に戻って洗濯に精を出し、一仕事完了。空には重苦しい雲が立ち込めているが、ビーチは美しい限りなので、その後はのんびりと過ごし、軽く海水浴をしたり、学生とビーチバレーをしたり、寝そべったりしたのであった。
ただ、ここはもうマラリアの危険地帯に入っているので、夜は用心しないといけない…夕方からは一転、長袖長ズボンで身を固め、食事時以外は蚊帳の中に入って過ごすなど、蚊に刺されないよう注意した。
翌22日も朝から低い雲に覆われており、冴えない天候であった。まぁ、ここではのんびり過ごすのが目的なので、それほど気にする必要もないが、気分はちょっと憂鬱であった。
それにしても、ここは遠浅の海岸なので、潮が引いていると海ではないようだ。朝起きたら一面干潟状態で、地元の人たちが奥まで貝を拾いに出ており、驚いてしまった。
そんなこんなでのんびり過ごしていると、昼前になって日本人のバックパッカーが登場。彼はアジアから中東、そして最近はエチオピアやマダガスカル(Madagascar)などを経由してここまで来たらしい。この後は、私や学生と同様、南部アフリカに進むらしいので、またどこかで会うかもしれない。
午後になると、相変わらず曇っているものの、潮が満ちてきたので海水浴に出かける。昨日はちょっと浸かる程度だったが、今日は久々に泳いでリラックス。中ほどでプカプカ浮かんだり、ダウ船(Dhow)を繋ぐ場所に上がったりして遊んだ。
そして、夜になって経営者の三浦さんが戻ってきた。所用でダルエスサラームに行っていたそうだが、我々日本人を暖かく迎えてくれる。でも、ここの客は欧米人の方が多く、食事時には他の宿からも訪れるほどで、結構繁盛しているようだ(ロンプラにも載っているらしい)。こんな生き方もあるのだなぁと、改めて考えさせられた次第である。
翌日はようやく晴天に恵まれ、美しかったビーチも、一層輝いて見えた。もう雨季に入ったので駄目かと思ったが、長く居れば良いこともあるものだ。
こんな日はどこかに出かけたい気分だが、今回はあくまでのんびり過ごし、リフレッシュするのが目的なので、美しいビーチを見ながら本を読んだり、近くを散策したりする。昼になると、ダウ船が戻ってきたが、これもまた絵になる光景だ(ドイツ人の兄妹が出かけていた)。これぞリゾート気分、と言ったところだろうか。

パジェ・ビーチ

ダウ船
今日が事実上最終日だが、三浦さんによると、今夜は刺身がいただけるそうなので、奮発して注文。思えばアフリカに来て日本食など口にしていないので、これは貴重な機会である(でも、明日はカニも出るそうなので、延泊できる人が羨ましい…)。
こうしてダラダラ過ごすうちに日が暮れて、夕食の時間になった。期待していた刺身は予想以上の出来映えで、実に美味しい。聞けば、三浦さんが地元のご婦人に教えて作らせているとのことで、食事はどれも美味しい。値ははるものの、英気を養うには格好の場所である。
その後、夜遅くまで話に花が咲いたが、個人的に気になるのは、やはりマラリア。ちょうどマラウィ(Malawi)からノルウェー人が遊びにきていたが、彼は先だって患ってしまい、ものすごく苦しかったという。三浦さんも十数回罹っているらしいが、特に最初は死ぬかと思うほど辛いらしい。私はまだ予防薬すら購入していなかったので、話を聞いて肝の冷える思いであった。