翌朝は、当然セレンゲティをサファリするので、日の出とともに出立する。さっそくキリンやインパラが出迎えてくれるが、我々が見たいのは、もうこんな他愛ない姿ではない。もっと活発なハンティング・シーンだ。

朝一はインパラ
しかし、しばらくキラウィラ(Kirawira)方面に走っていくものの、周囲には目ぼしい動物が見当たらない。昨日はあんなにたくさん見られたのに、どこに行ってしまったのだろう…ガイドもあまりやる気が感じられず、ただ走っているだけのようで、何だか嫌な予感だ。
こうして1時間ほどを無為に過ごしてしまったが、ここで前方に、多数の車が見えてきた。これぞ「ハイエナ戦法」と言えなくもないが、きっと何かあるに違いない。急いでこの密集地に向かった。
すると、そこにはハンティングを終えたライオンのプライドがおり、シマウマの肉を食らっている。ガツッ、ガツッと肉を引きちぎる音がして、むごたらしい限りだが、これは自然の掟。その様子を静かに見守った。
肉はもう残り少ないようだが、周囲にはジャッカルやハイエナが近づいてきて、おこぼれに預かろうとしている(が、なかなか近寄れず、逆に追い返されている)。ハイエナもジャッカルも諦めてどこかへ行ってしまったが、やがてライオンももう満足したのか、続々と歩いていき、骨だけが無残に残された。

シマウマを食べている

子供たちも移動
これにてショーは終わったので、どの車も思い思いに走り去っていく。我々はというと、再び西に向かうが、池でカバの群れを見た以外は収穫がなく、なかなか動物を見かけない。これが優良会社なら、無線で動物の居場所を突き止めるのだろうが、今回は無線など搭載していないので、ガイドの勘に頼るしかないのだ。

闘うカバ
川に沿って走るようになると、しばらくで対岸に車が止まってるのを発見。双眼鏡で見ると、なんと木登りライオンがいるが、あまりに距離が遠すぎる…そして、ぐるっと周って対岸に来た頃にはライオンはいなくなり、何だか損した気分であった。
やがてピクニックサイトに着いたので小休止を取るが、もう陽も上がって暑くなり、動物の気配すら感じられない。その後は、途中でウォーターバックを見かけただけで、消化不良のまま朝のサファリを終えた。

セレンゲティの景観
これでもう、セレンゲティでのサファリは事実上終了。後は食事をしてゲートに戻るだけだが、今一つセレンゲティらしさが見られないのが残念だ。確かに、ドキュメンタリー映像で見られるような、迫力あるハンティング・シーンや壮大な群れの移動は容易でないとしても、もう少し何かあっても良いような気がする。昨日はたくさんの動物を見たというのに…やはり丸1日では足りないのだろうか。
昼食を終えたら、何か引っかかりながらも帰途につく。道中では、シマウマの群れには遭遇したものの、セレンゲティらしさは感じられない。30万という動物たちはどこにいるのだ…

シマウマに見つめられる
すると、ナービ・ヒルが見えてきたところで、小さな水溜りがあり、ここにたくさんのヌーとシマウマが集まっていた。おぉ、これだけでもかなりの数だが、さらに地平線の向こうから続々とやって来るではないか。すごい…砂煙を上げ、轟音を立てながら群れがやって来て、この水に浸かっていくのだ。これぞ、思い描いていたセレンゲティの姿! 最後にしてようやく腑に落ちた光景となり、溜飲の下がる思いで去ることができた。

シマウマとヌーがたくさん

どんどんやって来る!
ゲートをくぐったら、ガゼルやシマウマ、ヌーなどが見送る中を疾走し、ンゴロンゴロに戻っていく。そして、3時過ぎには無事クレーターの淵までやって来て、Simba Campsiteに入った。ここからはクレーターを見下ろすことができ、なかなかの眺望だ。真ん中にはバオバブの大木があり、時折ハゲコウなどが遊びにきている。何とも牧歌的なところで、居心地は良さそうだ。

ハゲコウが飛ぶ
ところで、美味しい夕食を満喫して眠りにつくと、突然、悲鳴とともに銃声が発せられた。盗賊? それとも野獣?! しばらくは怖くて動きが取れなかったが、話によると、野生の豚(Wild Pig)がテントを漁りに来たらしい。でも、それではネタとして面白くないので、他の人たちは「Wild Pigじゃなくて、Wildebeest(ヌー)が襲ったことにしよう」と、冗談交じりに示し合わせていた。