今日はンゴロンゴロを経由して、野生の王国・セレンゲティに入る。総面積1万4763km2(東京、神奈川、埼玉、千葉を合わせた広さ以上)を有する広大な公園で、1泊しかしないのは残念だが、300万頭もの野生動物が棲んでいるというので、早くもワクワクしてくる。
さて、キャンプ場を出発したら、しばらくは快適な道を走り、カラトゥ(Karatu)で小休止。ここでメンバーの1人が電池を購入したいと言うが、結局目的の品は見つからなかった。やはり消耗品はある程度持参しておくべきである。
ここからいったん下り、その後緩やかに登っていくと、まもなくンゴロンゴロ自然保護区のゲートに到着。手続きを済ませたら、未舗装路をさらに登っていく。そして、森の中を抜けると視界が開け、前方にンゴロンゴロ・クレーター(Ngorongoro Crater)が姿を現した。
さすがに阿蘇山に次ぐ世界第2位のカルデラだけあって、広大で美しい。現地の言葉で「巨大な穴」を意味するように、深さは600mにも達し、内側には2万5000頭もの野生動物が暮らしているという。外側と行き来するものもいるが、周囲は急勾配でせり上がっているので、多くは定住しているらしい。明後日にはここでサファリをする予定なので、こちらも楽しみだ。

ンゴロンゴロ・クレーター [→ワイド版]
この展望を満喫したら、続いて外輪山の淵を時計回りで走り出す。しばらくで左手が落ち込み、マランジャ窪地(Malanja Depression)や、その先のセレンゲティ大平原(Serengeti Plain)が見えてくるが、なおも走ってンゴロンゴロ・クレーターへの入口に到着。ここからも眺めが良いので、観光マサイを冷やかしつつ、この開放感に浸った。

マランジャ窪地

マカトゥー湖を望む
こうしてンゴロンゴロに別れを告げ、セレンゲティに向けて下っていく。平原に下り、右手にオルドバイ渓谷(Olduvai Gorge)を見ながら進むと、徐々に動物たちの姿が見えるようになってきた。草をついばむハゲコウ、悠然と歩くマサイキリン、そして群れで動くエランド(Eland)など、まだ国立公園の手前だというのに、これからに期待を抱かせる展開だ。
すると、ガイドはエランドに近づくべく、道を外れて草原を駆けていく。私も間近で見たかったが、エランドは臆病なうえ逃げ足が早いので、車で追っても駄目で、結局逃げられてしまった。まぁ、これが野生の本来の姿だと諦め、ここの木陰で昼食にした(炎天下はもの凄く暑い…)。

悠然と歩くキリンの群れ

逃げるエランド
食事を終えたら、いよいよ境界線を突破し、セレンゲティ国立公園に入る。すると、さっそくライオンの群れ(プライド)が見えたので寄り道。草原の中でポツンと佇んでいるが、迫力ある雄ライオンの鬣といい、可愛らしい子供の姿といい、やはり魅了されてしまう。彼らは間違いなく主役だ。

ライオンのプライドに遭遇

迫力の鬣

親子の交わり
さらに進むと、今度はチーターが草原に横になっており、その美しい体をさらけ出している。周囲ではトムソンガゼルやヌー、シマウマなどが闊歩し、ブチハイエナが走ってきたり、マサイキリンがアカシアの葉を食べていたりと、観察対象が多すぎるほど。まだこれからが本番だというのに、早くも大忙しだ。

チーター

食事中のマサイキリン
出だしから絶好調だが、まもなくナービ・ヒル(Naabi Hill)のゲートに着いたので、ここで車から降りて休憩。ガイドが手続きをしている間に、トイレに行ったり、ビジターセンターに寄ったり、木陰で休んだりして過ごした。
そして、ゲートを越えたらいよいよ本番。雄大な平原に駆け下り、まずはコピー(Kopje)の岩丘群で獲物を探す。すると、まもなくライオンのプライドを発見。相変わらずのんびり過ごしているが、ぐうたら寝ているだけでなく、顔を足で掻いたりと、なかなかユーモラスだ。
これでもう十数頭のライオンを目撃したわけだが、この先でも雌ライオンが歩いているので、追跡してみる。この辺りは草が深いので、まもなく見失ってしまったが、移動先を予想して先回り。すると突然、岩丘にライオンが登っているではないか。これはもうナショナルジオグラフィックも顔負けの光景で、ライオン三昧だ(もっとも、彼女はすぐにぐうたらに戻り、岩に寝そべってしまったが)。

首を掻くライオン

コピーの岩に登った!
この先も、ヌーやシマウマの大群に遭遇し、さすがはセレンゲティだと感心。さらに、木陰で休むチーター3頭や、また別のライオンのプライドも見かけて、大収穫である。ガイドやクックも大はしゃぎで、これだけたくさん見られるのは珍しいと言っている。まだ数時間しか経っていないのに、ライオンだけで20頭近くも見ているのだから、もうライオン三昧だ。

シマウマ
なおも北上すると、目の前に十数台の車が止まっているので、また寄り道。特に何も見当たらないが…話によると、近くをヒョウが通ったというので、目の色を変えて観察する。しかし、さすがは単独行動のクール者。目を凝らしても見つからず、結局時間の無駄遣いになってしまった。
ともあれ、こうしてセロネラ(Seronera)まで走ったところで夕方になったので、トピやインパラに見守られながら、Pimba Campsiteに入っていく。と、偶然にも、キリマンジャロ登山で一緒だったオージー・カップルと再会した。彼らは2人でツアーを組んでいて羨ましい限りだが、その夜、再びの大いびきに悩まされたのは苦痛であった。