サファリの肝は早朝と夕方にある(昼間は暑いので、動物が動かない)ので、日の出前に起床し、初めてのゲームドライブ(Game Drive)に出かける。まもなく朝陽が昇り、さっそくアカハシサイチョウ(Writhed Hornbill)やインパラ(Impala)、ディクディクが現れ、出だしは順調だ。

アカハシサイチョウ

ディクディク
やや小高い丘に上がっていくと、低潅木のブッシュの眺めが広がり、ここでゲレヌク(Gerenuk)が登場。ずいぶん首が長いが、これはサンブルでないとなかなか見られないのでラッキーだ。そして、しばらく様子を窺っていたところ、彼らはアカシアの木の下に移動し、後脚で立って木の葉を食べ出した。話には聞いていたが、何とも可愛らしい姿だ。

ゲレヌク
いきなり大満足の展開だが、その後はしばらく動物に遭遇することなく、無為に過ごすことになる。ついにガイドも諦めたのか、元に戻ってエワソ・ンギロ川(Ewaso Ngiro River)を渡り、隣りのバッファロー・スプリングス国立保護区(Buffalo Springs National Reserve)に入っていった。

グラントガゼル

ゲレヌクが立ち上がった
すると、いきなりグラントガゼル(Grant's Gazelle)が立ち尽くしているではないか。驚いているのか、微動だにしないが、何て優美な姿だろう…遠目にはグレービーシマウマ(Grevy's Zebra)やゲレヌク、ゾウの群れも見え、野生の王国に来ていると実感する。
再び走り出すと、今度はオリックス(Oryx)が目の前に出現。伝説の一角獣のモデルと言われるだけあって、気品に満ちた井出達である。群れにも遭遇するが、彼らもこの周辺でないと容易には見られないそうなので、サンブルに来て良かったと、改めて思い知らされた。

オリックス

横から見ると一角獣のよう
やがて車は川岸を走るようになり、バブーン(Baboon)の群れが遠望できるが、ここで草むらに豹柄の動物が一瞬見えた。もしや…慌てて岸を離れ、進みそうなところに移動すると、何と目の前をヒョウ(Leopard)が横断していくではないか! 皆息を潜めて見守るが、ヒョウは用心深い性格ゆえ、滅多にお目にかかれるものではない。しかもつがいで行動しているところを目撃するとは、何て幸運なことだろう。

ヒョウが目の前を横断する!
その後、再び川岸に出てナイルワニ(Nile Crocodile)を見ていると、偶然にも川渡りするゾウを目撃。帰り際にはウォーターバック(Waterbuck)の親子にも遭うことができ、最初からお腹一杯の展開であった。

ナイルワニ

アカシアの木々が印象的
こうしてキャンプ場に戻ると、美しいテリムクドリ(Superb Starling)やハタオリドリ(Weaver Bird)が遊びにきているが、ここで遅めの朝食を取り、しばらくのんびり過ごす。さすがに日中は暑く、テントの中は耐え難いが、本を読んだり、シャワーを浴びたりして時間を潰した(ちなみに、ここは会社所有の常設キャンプ場である)。

キャンプ場

テリムクドリ
そして、遅めの昼食を終えたら、午後のサファリに出陣する。川を渡ると、早くもサバンナモンキー(Vervet Monkey)が現れ、その後も川岸を闊歩するゾウの群れ、インパラのハーレム、草を食むウォーターバックなどが次々と現れる。かなり遠いが、川を渡るクドゥ(Kudu)のつがいも発見(試しに秘密兵器・ビノショットを使ってみるが、使い物にならず…)。ただし、まだ暑いだけあって活動的ではなく、木陰で休んでいるのが大半であった。

サバンナモンキー

ゾウの群れが移動中

インパラ

ウォーターバックとインパラ
やがて、他のサファリカーも続々と現れるようになるが、ガイドが言うには、他の人たちはあまり動物を見ていないらしい(そのため、どこで見たのかといろいろ聞かれている)。とても信じられない話だが、ガイドが優秀だったということだろうか。
美しい潅木の風景を眺めながら過ごしていると、今度はグレービーシマウマが至近距離で登場。かなり細かい縞模様だが、これはなぜか北半球でしか見られないらしい。サンブルはあまり有名ではないが、他では見られない動物が多いし、周囲の景色も美しいので、ここは穴場だと実感した。

グレービーシマウマ

風景も美しい
その後も、ヘビクイワシ(Secretary Bird)、青いブッポウソウ(Roller)など、新しい動物を目撃していくが、バブーンの群れに近づこうと川岸を走ると、今後は木陰に隠れたバッファロー(Buffalo)を発見。凶暴な性格なので、襲ってこないかと不安になるが、そのいかつい風貌を間近に見ることができた。

ヘビクイワシ

ブッポウソウ

バッファローと睨めっこ

バブーン
こうして時は過ぎていき、夕暮れが迫ってきたので帰ろうとすると、前方に車が集まっているのが見えた。これは大物に違いないと、急遽進路を変えてその場に向かう。途中、道がなくなって遠回りを余儀なくされたものの、どうにか暗くなる前に到着すると、そこには再びヒョウがいるではないか。しかもつがいで、一頭は倒木の上に横になり、もう一頭は仕留めたディクディクを食らっている。
周りは車だらけなのに、全く意に介していない様子だが、その美しさは際立っている。混み合う中、皆必死で撮影しているが、まもなく暗くなり、サファリの時間は終了。それでも、ヒョウをはじめ数々の動物を見ることができ、最初から盛りだくさんの内容であった。

横になるヒョウ

ディクディクを食らっている