エジプトからは、当初スーダン(Sudan)、エチオピア(Ethiopia)と陸路で南下することも考えた。カイロからケープタウンまで縦断したとなれば、アフリカ大陸を北から南まで走破したことになり、最後の旅にふさわしい。が、これは断念せざるを得なかった。
聞くところによると、この両国の旅はハードで、特にスーダンの移動は超過酷なうえ、ビザ代だけでもUS$100もするらしい。しかし最大の問題は、東アフリカの雨季である。通常、大雨季が3月後半から始まるので、それまでに一通りの観光を済ませたいのだが、そうなるともう1ヵ月しかないのだ。
もし陸路で進んでしまうと、ケニアに入る頃には乾季が終わりかねない…これでは本末転倒なので、ここは一足飛びでケニアに入り、どうにか雨季前に観光を終わらすことにしたのである(それでも、時間的には十分でない)。
ということで、カイロを深夜に発ち、ナイロビに到着したのは朝の4時頃。さっそく入国審査となるが、アフリカでは審査官の気分次第でビザが取れたり取れなかったりすると聞いていたので、心象を良くしようと、"Jambo!"と友好的に挨拶し、難なくビザをゲット。意外にあっさり入国することができた。
ゲートを過ぎると、さっそく客引きがてぐすね引いて待っているが、今回は既に、サファリ(Safari)への参加を決めていた。実はエジプト滞在中、DoDo WORLDにコンタクトを取ったところ、ちょうど到着日から1週間のサファリ・ツアーがあり、当日でも飛び込み参加OKとのこと。訪問先は、サンブル国立保護区(Samburu National Reserve)、ナクル湖国立公園(Lake Nakuru National Park)、そしてマサイマラ国立保護区(Masai Mara National Reserve)で、アンボセリ国立公園(Amboseli National Park)に寄らないことを除けば、ほぼ希望通りの内容であった。
しかし、それでも客引きは諦めず、怪しげなツアーを斡旋してくる。空港発のツアーはトラブルも多いと聞いていたので、申し込む気は毛頭ないが、かと言って暗いうちにナイロビ市街に入るのは怖いので、ATMから現地通貨を引き出したり、客引きの話し相手になったりしてやり過ごす。そして、ようやく明るくなったところでタクシーを手配し、恐怖の街に向かった。
市街までの道は良く整備されているが、高層ビル群が見えるようになると、早朝にもかかわらず、さっそく渋滞に巻き込まれてしまった。周りは皆黒人で、いよいよアフリカに来たという感慨が強くなるが、同時に治安の悪さにも懸念が強まる…ここナイロビは犯罪率が高いことで有名で、夜はもちろん、昼間でも一人歩きは避けた方が良いらしい。こんな荷物を持って襲われたら一たまりもないので、ひとまずオフィスまで無事であることを祈った(ちなみに、ネパールやエジプトと同じく、ケニアも左側通行である)。
やがて渋滞を脱し、タウン地区に入る。まだ朝早いので人通りもまばらだが、ひとまずドライバーの警護を受けてビルに入り、無事オフィスに到着。今回はGametrackersという会社のツアーを利用するが、まだ掃除の係がいるだけだったので、オフィス内で待機させてもらった。
しばらくして従業員が出社し始め、担当の人も現れるようになった。既に話は通っていたらしく、スムーズに話が進み、問題なくツアーに参加できることに。その後まもなく、他のツーリストやドライバー、コックと続々登場(今回の客は欧米人ばかり5人)し、ゴツイ車に荷物を運び込んで、早くも出発となった。
車は長屋やバラックが建ち並ぶ中を抜け、北へと疾走していく。さすがはアフリカ、日中の太陽は焼けつくほどに暑いが、かと言って窓を開けると強風に苛まれるので、風の強い片側を閉めて走る。後列を荷物が占拠している影響で、2列に6人とやや狭かったが、個人的には機内であまり眠れなかったため、すぐに睡魔の虜になった。
しばらくで右手にケニア山(Mt Kenya:5199m)が遠望できるようになるが、今日はやや雲が多いため、山頂は望めない。すると、車は土産物屋に入り、ここで昼食の準備をするという。そこで店内をひやかしてみるが、どれもこれも高い…アジアや中東とは比較にならないほど高く、とてもじゃないが買う気にはなれない。マサイ族(Maasai)の工芸品がこれほど高いとは思いもしなかった。
昼食を終えるとまた走り出し、ケニア山を横目に北上する。赤道を越え、再び北半球に入ってもなお進み、イシオロ(Isiolo)で小休止。ここまで来ればサンブルはもう間近だが、何だかんだで日暮れが迫っていた。
さらに30kmほど走って左折し、アカシア(Acacia)の木々を見ながら進むと、まもなくゲートに到達。ここで入園料を支払い、とりあえずキャンプ場に向かうと、さっそくアフリカゾウ(African Elephant)が出迎えてくれた。やはり生で野生のゾウを見ると、迫力が違う。ドライバー(兼ガイド)は「まだまだ序の口だよ」と笑っているが、これは幸先の良いスタートだ。
その後も、道端でディクディク(Dikdik)に遭遇したりと、ただの移動でも楽しむことができた。明日からが本番なので、非常に楽しみだ。

さっそくアフリカゾウが登場