今日からしばらくは、レイク・ルイーズ周辺のハイキングに赴く。周囲には数多くのコースがあるが、中でも湖畔から歩いて山上湖や氷河を眺めるコースは人気が高いので、まずはそこから攻略することにしよう。
朝から曇りがちだったが、$1バスを使ってレイク・ルイーズ湖畔に向かう。バスの運転手が言うには、今年はSARSの影響で、特に日本人観光客が少ないそうな。これは過剰反応だと思うが、静けさを愛する私にとっては願ってもない展開だ。
バスを降り、さっそく有名な湖に向かうと、大勢の観光客とともに湖が現れた。「ロッキーの宝石」と言われるだけあって、薄緑色の湖に、ビクトリア氷河(Victoria Glacier)を望む景色は確かに美しいが、天気が冴えないこともあって、期待していたほどではない。まぁここは快晴の時にまた訪れることにして、混まないうちに先を急ごう。
湖畔を少し歩き、超高級なChateau Lake Louiseを過ぎたら右に折れて、緩やかにジグザグ道を登っていく。深い針葉樹林の中をゆくのでやや単調だが(時々レイク・ルイーズが垣間見える)、30分あまりで小さなミラー・レイク(Mirror Lake)が登場。湖自体は普通だが、そこから見上げるビッグ・ビーハイブ(Big Beehive)が大きい。ここで休むのも良さそうだが、結構蚊が多かったので断念。そのまま登り続けた。

ミラー・レイクとビッグ・ビーハイブ
ここからはアグネス湖(Lake Agnes)に向かうのが普通だが、せっかくなので分岐を右に入り、リトル・ビーハイブ(Little Beehive)に寄り道してみる。するとまもなく視界が開け、正面にスレート・レンジ(Slate Range)の山々、そしてアイスフィールド・パークウェイ(Icefield Parkway)やへクター山(Mt Hector:3394m)が望めるようになった。ここは誰もいなくて静かなので、しばらく展望を満喫させてもらった。

スレート・レンジを望む

戻りの景色
やがて人が増えてきたので退散し、緩やかに下ってアグネス湖を目指す。この湖はまさに山上湖といった風情で、ティーハウスもあるので多くのハイカーが一服している。確かに休むには良いところだが、寄り道したせいで随分人が多くなってしまったので、トイレだけ済ませたらさっさと進むことにした。

アグネス湖からの眺め

アグネス湖
しばらく湖畔を歩き、湖の西側をぐるっと周り込んでいく。この辺りの眺めはなかなか絵になるが、ここからが試練の登り。多くのにわかハイカーたちが喘ぎながら登っている。アシニボイン縦走を経てすっかり歩き慣れたので、ここはペースを落とさず登っていくと、まさにごぼう抜き状態となった。
登り切ったところで分岐となり、ここを左に入っていくと、ビッグ・ビーハイブの展望台に着く。ここからの眺めは最高で、切り立った崖の上から、レイク・ルイーズを足もとに望むことができる。これは訪れる価値のある場所だ。

レイク・ルイーズを見下ろす
ここでカメラを構えて休んでいると、しばらくして突然「日本人の方ですか?」と(英語で)訪ねられた。先ほど追い抜いた中に、日本人っぽい女性がいるなとは思っていたが、まさか声をかけられるとは…聞けば同じユースに泊まっているそうで、カナダには何度も来ているのだという。こんな奇遇もあるものだ。
適当なよもやま話をしていると、突如背後から「うわぁ、綺麗ねぇ~!」「きゃー!」と歓声をあげる中高年グループが大挙して押し寄せてきた。こういう声を聞くと、すっかり旅行気分が滅入ってしまう…これではいけないので、女性とは別れて先に進んだ。
分岐に戻り、反対の斜面を淡々と下っていく。分岐を右に、右に進んでいくと、まもなく視界が開け、前方にビクトリア山(Mt Victoria:3464m)と氷河、左手にはリフロイ氷河(Lefroy Glacier)とリフロイ山(Mt Lefroy:3423m)が見えるようになってきた。曇りがちだった天気も急速に回復し、雲がどんどんなくなっている。これは良い展開だ。

ビクトリア山とリフロイ山を望むようになる
湖畔からの本道と合流し、少しジグザグに登るとティーハウスに到着。ここはプレーン・オブ・シックス・グレイシャー(Plain of Six Glaciers)と呼ばれるように、6つの氷河を望む景勝地で、大勢の観光客で賑わっている(なかにはサンダルで歩いている人もいる)。しかし、ゴールはここではなく、さらに奥にあるので、水分補給を済ませたらそのまま歩いていく。
この先は、汚れた氷河を左に見ながら歩いていく。傾斜はきつくなり、さらにモレーンの上を進むと、20分ほどで道が途切れ、これまでリフロイ山に隠れていた氷河が見えた。ここが終点だが、より良い展望を得るため、ザラザラの斜面を這い上がる。適当なところで腰を下ろしたら、存分にこの絶景を楽しんだ。

リフロイ山が大きい

ビクトリア氷河の源流が望める
こうして帰途につき、レイク・ルイーズ湖畔へと楽々下っていくと、途中で先ほど会った女性に追いついた。なんでもティーハウスのところが終点だと思い、そこで引き返してきたのだという。せっかく歩いてもったいない気もするが、今さらどうすることもできないので、後は30分ほどかけて湖畔を歩き、$1バスで宿に帰った。