食後、ウェットスーツを着込んだら、皆でゾロゾロと歩いて出発点に向かう。快適な木道を進むと、しばらくで終点となり、目の前には透き通った池が現れた。遠くからでも魚の群れを確認できるほど透明度が高く、その美しさたるや、驚異的ですらある。人気のツアーだけあって、まだ先発隊が遊泳を楽しんでいたが、まもなく下流に消えて出番となった。

非常に透明度の高い池

魚の居場所も一目瞭然
さっそくシュノーケルを付けて中を覗くと、繁茂する水草の間を魚たちが遊泳しているのが手に取るようにわかる。この地域の水には石灰が混じっており、それが水の汚れを取り除き、透明になっているそうだが、なんて美しい水だろう。

魚が悠然と泳いでいく
全員の準備が整ったところで、足を底に付けないなどの注意事項が説明され、続いてガイドに従って泳ぎの練習をする。一列になって、水面近くをプカプカ浮きながら進むが、これが何とも不思議な感覚で、面白い。魚に混じって水面を漂っていくが、まるで自分が魚になったような感覚で、水の中に溶け込みそうな気分だ。
これまでにない快感を得ながら進んでいくと、池の周りを一周して元に戻る。周りを見ても、皆プカプカ浮いていて、何とも言えない気持ちよさを味わっているようだ。面白そうだとは思っていたが、これほどとは思っていなかった。

これがフローティングだ

水草の様子もはっきりわかる
これで一通り泳ぎのコツをつかんだところで、いよいよ川の流れに沿って下る。途中、やや急な流れもあるらしいが、それはそれで面白そう。ワクワク気分でスタートを迎えた。
川下りは、一定の距離を開けて順番にスタートする。私は中ほどで、数人が出た後に出発となったが、いきなり期待を裏切らない透明度で、その中を、オレンジのラインが入ったピラプタンガ(Piraputanga)などが戯れている。川の流れに身を任せて、ただ浮いていれば良いので、何とも言えない心地よい気分だ。

ピラプタンガの群れが行き交う
当然、この素晴らしい景観を写真に収めようと、借りておいた防水対応のカメラを構えるが、たくさんの魚がいるにもかかわらず、お互い動きながらの撮影となるため、思いのほか撮るのが難しい。下手な鉄砲数打ちゃ当たるで、いつの間にかかなりの枚数を撮っていた。
こうして緩やかな流れを下っていくと、途中で休憩となり、ここから流れが速くなるので気をつけるようにとのお達しが出る。そして、まもなく再出発となり、とにかく、流れに身を任せて突破。まるでジェットコースターのような気分で、ちょっとしたスリルが面白かった。

様々な魚たちが泳いでいる

食事に夢中のようだ
その後、若干の難所も無難にクリアし、気がつけば左から大きな流れが合流してきた。ここを過ぎると、とたんに流れが深くなり、透明度も薄れて、魚の姿もまばらになる。そこを淡々と下っていくと、しばらくで終点に到着。大満足のうちに終了となった。
このフローティング、面白そうだとは思っていたが、実際にやってみると楽しさ倍増で、病み付きになりそうだ。日本のガイドブックには、このプラタ川ではなく、スクリ川(Rio Sucuri)しか掲載されていないので、今度はそちらも試そうかと、宿に帰ったらさっそく申し込んでしまった。
そして翌日、スクリ川のフローティングに再挑戦する。昨日のプラタ川とは違って、スクリ川のツアーは人気がなく、申し込んだのは私一人しかいない。そのため、安上がりのバイクタクシーに乗って現場に向かうが、これが苦痛極まりない。バイクの後ろに乗って、未舗装路をガタガタ進むものだから、前を見ることすらできず、ひたすら前の座席にしがみつく。結局、無事到着したものの、実はこの旅最大の試練であった。
ウェットスーツとライフジャケットを着てツアーに参加すると、今度はアメリカ人のグループと一緒になったが、これが立ちの悪い若者で、私をオモチャのようにして遊ぶものだから始末が悪い(きっと私の方が年上だが、彼らにはそう見えないのだろう)。アメリカ人の変な陽気さは困ったものである(ブラジル人のガイドも呆れていた)。
ツアーは、まず荷台に乗って川の近くに移動し、そこから少々の散策を行う。この日はあいにくの曇り空だったが、それでも、湧き出る清水はとても美しく、さすがはボニートの水だと関心。ガイドが言うには、ここは世界で3番目に澄んだ水らしいが、果たして…

湧き出る泉は美しい

見惚れてしまいそうな色合いだ

清らかなスクリ川
そして、ついに2度目のフローティングがスタート。例によって間隔を開けて漂っていくが、昨日とは違って魚が少ない…透明度も、プラタ川に劣るように感じるのは気のせいだろうか。
しばらく下ると、ようやく魚たちの姿が見えるようになるが、どうしてもプラタ川の幻影が残っているだけに、それ以上のものを期待してしまう。結局、40分ほど流れ下って終了となったが、プラタの美しさには勝てず…宿の人がプラタ川を勧めていた理由に納得しながら、またも苦難のバイクタクシーで街中に戻ったのであった。

水草の中をゆく

ピラプタンガ登場

こちらも食事に夢中