今回の旅行で、グレートバリアリーフに来たら行おうと思っていたことがあった。それは、ダイビングのライセンスを取得することだ。
高校時代は水泳部に籍を置きながら、その後ダイビングを行った試しはなかった。しかし、せっかく美しい海があるのだから、潜らないのはもったいない! ということで、ダイビングのメッカであるケアンズでオープンウォーター・コースを受講することにしたのである。
ここも可能なら10日から開始しようと思っていたが、木曜スタートの会社はなぜか無いというので、金曜(11日)スタートの3日間集中コース(通常は4日間)を受講することにした。そして前日には健康診断や写真撮影、それに散髪まで行い、準備万端で当日を迎えた。
そして翌朝、日本人のインストラクターが迎えに来たが、今回は他に受講者がおらず、マンツーマンになるとの知らせがあった。先週は7人いたらしいが、1人とは少々驚きだ。しかし、逆に考えればチャンスでもある。じっくり講習を受けることができるし、ダイビング中のカメラ撮影もできるかもしれない。ラッキーだと考えるようにして、講習に臨んだ。
3日間コースの場合、初日はひたすら講義となる。まずビデオを観て、終了後にインストラクターとともに復習を行い、簡単なテストをして次へ進む、というパターンが続く。幸い昨日はよく寝たので眠らずに済むが、久々に頭を使うので疲れてくる。これを3回繰り返したところで昼食となり、インストラクターと一緒に、近くの日本料理店で食事を取った。
戻ってからは、さらに2回のお勉強を繰り返し、いよいよ最終テスト。ここまでの小テストはほぼ完璧だったが、通しで行うとあやふやな部分が出て、自信が持てなくなってしまった。しかし、それでもどうにか合格し、明日からの実習に無事参加できることとなった。
講習2日目となり、いよいよダイビングによる実習が始まる。この日のために持ってきていた水中撮影用の機材も、本当は禁止されているらしいが、大目に見てもらい持参した(オープンウォーターで持ってきた人はほとんどいない、と驚かれたが)。
今日からはグリーン島(Green Island)での講習となるが、移動はアドバンス・コース(1ランク上)の人たちと一緒だ。快適な気候の中、船内ではのんびりと過ごして(と言うより、やることがない…)到着を待った。

グリーン島
船は45分ほどで珊瑚礁の島に着岸し、さっそく桟橋を歩いて準備に取りかかる。着替えを終えて準備運動を済ませたら、まずは200m水泳と10分間の立ち泳ぎのテストとなった。
元水泳部の杵柄で快調に泳ぎ始めると、わずか60mのところで静止が入った。本来はちゃんと泳がなければいけないが、泳ぎを見てもう十分だという判断だ。続く立ち泳ぎも、水球部バリに足泳ぎでこなしていると、3分ほどでOKとなってしまった。ウォーミングアップには良かったが、意外にあっけなかった。
それから、しばらくはプールでの講習となる。基本的には昨日ビデオで観たことを実践するのだが、いざ行うとなると、忘れたり難しかったりする。やはり「習うより慣れろ」だ。それでも1対1で丁寧に指導してもらえるので、普通よりもかなり早いペースで消化していき、昼前にはプール実習のほとんどが終わってしまった。
昼食を終えると、いよいよ初ダイブとなった。さっそく岸から小型船に乗り、New Yorkというポイントまで移動していく。この日は波も穏やかで、とても快適なコンディションだ。
やがてポイントまでやって来たら、端から一歩踏み出して海に飛び込ぶ。さすがに初めてではうまくない…が無事成功し、綱を頼りに少しずつ下に降りていく。
海に入ると、透き通った珊瑚の世界が広がる…と思っていたが、意外に視界が効かない。ハーディリーフのイメージが残っているせいだが、グリーン島は近海のせいか、アウターリーフほど澄んでいなかったのだ(もっとも、条件さえ整えば25m以上の視界が得られるらしいが)。
少々残念に思いつつ海底に降りると、そこからはインストラクターに付いての海中散歩が始まった。枝状、葉状、テーブル状などの珊瑚が見られるのはもちろん、アネモネフィッシュ、ウミウシ、スズメダイ、ヤッコ、ナマコなどの様々な海洋動物を目にすることができる。
しかし、こうした動物たちに目を奪われ、撮影に夢中になっていると、インストラクターの指示通りに動くのは難しい。おまけにマスクが緩かったようで、何度となく海水が目に入り、マスク・クリアを強いられた。結局34分ほど潜ったところで地上に上がり、初めてのダイブは喜びと苦難とともに幕を閉じた。

ウミキノコの仲間の珊瑚

ユメウメイロの群れ

フエダイの仲間

オオシャコガイ

ロクセンスズメダイ

チョウチョウコショウダイ

ロクセンヤッコ

ウミキノコの仲間

枝状珊瑚
島に戻り、しばし休養したら、再び同じポイントに戻って2度目のダイブを行う。今度は先ほどよりはマシに飛び込み、インストラクターに付いて海底へ降下。時々緊急時の対処法などを実践しながら、海中遊泳を楽しむ。
2回目ともなると、多少は周りを見る余裕もできて、オオシャコガイを反応させてみたり、自分から魚に近づいてみたりする。すると前方に、不意にナポレオンフィッシュが現れた。すぐに逃げてしまったのであっという間だったが、その大きな姿は印象的であった。
こうして様々な魚や珊瑚を眺めて、35分で海上に上がった。1回目よりは慣れて、多くの生き物を見る機会もあったので、満足度が高まったのは確かであった。

樹枝状珊瑚

ミドリイシの仲間?

ナンヨウブダイ

ロクセンスズメダイの群れとユメウメイロ
こうして島に戻り、片付けを終えると、帰りの船までにはまだ時間があったので、のんびりと過ごして時を待つ(普段は慌しいらしいが)。そして船では最前列に陣取って、ケアンズまでの快適な道のりを見守った。あと1日、十分に楽しめることを祈りながら。