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旅巧館旅行記オセアニアNZ Walking Journey 2000-2001
ニュージーランドの国旗

旅行記:ニュージーランド (NZ Walking Journey)

序.世紀を越えて

 初の海外

  今回の旅の計画は、かれこれ2年あまり前に遡る。1998年秋に北海道大雪山の紅葉を堪能した後、「次は海外だ!」と考えて、初の海外旅行に向けていろいろと構想を練っていたのだ。

  私は北海道のような大自然が好きなので、行き先の候補としてはカナダやスイス、北欧、ヒマラヤ、ギアナ高地などがあった(特にギアナ高地は、いったん99年秋に行くと決めたが、大雪高原温泉・沼巡りコース等を諦めきれず、2002年以降に延期した)。今回、その中からニュージーランドを選んだのは、「知り合いがいる」などといったつまらない理由ではなく(実際、知り合いはいない)、北海道を越える壮大で美しい自然に容易に出合えるからであった。曰く、

「自然に恵まれ、緑豊かな原生林、神秘的な姿を見せる氷河や湖、火山などのダイナミックな景観が広がる。南太平洋に向かって広がる白いビーチ、亜熱帯のジャングルのような原生林、北欧で見られるようなフィヨルド地形、スイスアルプスを思わせる美しい湖を抱いた山々、どこまでも続く大平原で悠々と草を食む羊、ヒマラヤ6000m級の山々で見られるような氷河……まさに『地球の箱庭』と呼ばれるにふさわしいバラエティ豊かな景色をいたるところで見ることができる」(滑田広志『ニュージーランド・ハイキング案内』山と渓谷社)

  のである。しかも時差が少なく(年末年始は日本より4時間早い程度)、距離的にもそれほど遠くなく、気候的にも温暖で、治安も良いから、初めての海外旅行には好都合であった。

 加えて、21世紀をどう迎えるか、というのも問題であった。私は基本的に「○○記念日」といった類のものには無頓着だが、 なぜか21世紀については格別の思いがあった。小学生の頃、21世紀を迎える時には27歳になっているけれど、どんな生活をしているのだろう…などと夢見たものである。あいにく、今は冴えないサラリーマンに甘んじており、我ながら情けない次第であるが、せめて世紀越えくらいは特別なものにしたい、と考えていた。その条件として、ニュージーランドは先進国で最も早く、日本より4時間も早く新世紀を迎えられ、しかも季節は夏であるから、これに勝るものはなかった。

 こうして、20世紀末から21世紀始めにかけて、ニュージーランドを旅することに決したのであった。

 山道を歩こう

  方針が固まってから実際に旅行するまで2年あまりあったが、その間、毎朝のように果物のキーウィ(Kiwi)を食べるとともに、ガイドブックなどを読んで、ニュージーランド観光について研究した。また、浜松町にあるニュージーランド政府観光局にも足を運んで、資料の収集を行った。

  情報を集めるうちに、南島が特に観光のメッカであること等がわかったが、中でも目を引いたのは、夏のニュージーランドでは自然の山道を歩くトランピング(Tramping:一般には「トレッキング」という)が盛んで、100を越える様々なコースが用意されているということだ。その中でも人気で、整備の行き届いたコースはグレート・ウォーク(Great Walks)と呼ばれ、現在9つのコースがある。

  このうち、「世界一美しい散歩道」と称されるミルフォード・トラック(Milford Trackと、山岳展望の素晴らしいルートバーン・トラック(Routeburn Trackは世界的にも有名で、前者は3ヵ月前には予約をしないと歩けないほどだという。コース説明を読むにつけ、是が非でも行ってみたいと思うようになったが、この2コースを踏破するだけでも8日かかってしまい、時間的には厳しい。だが、年末年始にまとめて休みを取れば17連休も夢ではないし、せっかく行くのなら悔いのない選択をしたいと考えた。

  この2コースはクィーンズタウン(Queenstown)かテ・アナウ(Te Anau)を起点に歩くことになるが、幸いテ・アナウにはコロミコ・トレック(Koromiko Trekという日本人によるハイキングツアー会社があったので、そこを通じて2000年5月に予約を行った。さすがにまだ半年以上の余裕があったので首尾よく確保。それからもWeb等を活用し、確定したスケジュールから順次予約を入れて、秋にはほぼ全ての予定を押さえることができた。

  また、17日間の旅ともなると出費がかさむが、幸い秋頃までは円高傾向で、3年前(NZ$1=90円)の半分(NZ$1=42~45円)まで安いレートになっていたので、いくらか助かった(しかし「加藤の乱」以降円安傾向が強まり、NZ$1=50円前後と割高になっている)。

 いざニュージーランドへ

 こうして予定がほぼ確定した頃から、周りの人たちにも、年末年始にNZを旅行する旨を伝え始めた。そこで面白かったのは、ニュージーランドと聞いて「ニュージーランドは良いらしいよ」といった感想が多く返ってくることである。すなわち、自分は行ったことはないけれど、知人・友人で旅行した人が言うには良い所らしい、との認識を抱いている人が多いのである。

  私は無論初めてであるが、今回は"Walking Journey"ということで、先の2つのコースを始めとして、南島の観光のハイライトと言うべきフィヨルドランド(Fiordland:南西の端のあたり)を中心に、大自然をとことん歩き尽くすことにした。練りに練った計画だけに、ようやく2年前の構想が実を結ぶのかと考えると、心躍る気分であった。

 しかし、それまでには大きな苦難があった。 2000年は省庁再編を控えていたためか、半端でなく仕事がタイトで、10月以降は平日の睡眠時間が1~3時間程度、昼休みも週1回程度しか取れない状態が続いた。休日も月1日ぐらいしか休む間がなくなり、ほとんど働かざるを得なかった。週4日(朝から)朝まで仕事したこともあったし、旅行の直前も、睡眠時間を削れるだけ削って、缶詰状態で何とか強引に終わらせ、ようやく旅立つことができた(一時は本当に駄目かもしれない、と思った)。

  それだけに、この旅行に賭ける思いは半端ではなかったし、NZの大自然が、その期待に応えてくれることを祈らずにはいられなかった。

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