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旅行記:北海道一人旅

18.積丹周遊 (2000/5/20:晴

 積丹ブルーの海

  翌日も晴天で、弁慶が刀を掛けたという「刀掛岩」のある雷電岬も、日本海に綺麗に映えていた(ちなみに、この辺りには源義経の蝦夷逃避行の伝説が多く残っている)。幸先の良いスタートだ。

Cape of Raiden
刀掛岩 (雷電岬)

  さて、朝食後バスに乗って昨日の道を戻り、岩内で乗り換えたら、いよいよ積丹の周遊が始まる。途中の神恵内を過ぎた辺りからは、他の客がいなくなってプライベートバスと化し、周りの景色も奇勝奇岩が連なるようになっていった。

  その先は1996年になって初めて道が通じただけあって、断崖絶壁が続いていた(余談だが、客が私一人になってまもなく、時間通りの運行にもかかわらず、「時間調整のため少々停車いたします」と言って運転手は外に出て、海を見ながらタバコを吸っていた。どうやら、ただ単に休憩したかったらしい)が、西の河原を過ぎてしばらく走ると、最初の目的地・神威岬が見えるようになった。

  神威岬周辺は、土曜日の割には観光客がいなかった。バスを降りると、まずは北側の展望台に登り、そこでしばし景色を楽しんでから、岬の先端まで、およそ20分ほどの道のりを歩く。岬に向かうにつれ段々道が狭くなるが、晴天のおかげで積丹ブルーと言われる海の色が美しく、気持ちよく歩くことができた。

  岬の先端までやって来ると、義経に捨てられた女・チャレンカの化身と言われる神威岩が突き出ている。そして逆側を振り返れば、まだ雪を戴く積丹の山々が美しきパノラマを形成している。ここでしばらく佇んでから引き返すが、行きも帰りも、前方には素晴らしいパノラマ、左右には美しい海岸が広がっていて、なかなか壮観な道のりであった。

Kamui Cape
神威岬 (展望台より)

Kamui Rock
神威岩 (岬の先端)

View of Shakotan Mountains
神威岬先端より半島方面を眺める

 伝説の海岸

  美味のソフトクリームなどで腹ごしらえをしたところで、昼過ぎには神威岬を後にし、もう一つの見所と言うべき積丹岬に向かう。道中も断崖絶壁と奇岩が続くが、やがて岬近くのバス停に着いたので下車し、しばらく歩いて岬を目指した。

  レストハウスのようなところまで来ると、道が二手に分かれているので、まずは平坦なトンネルを通ることとし、歩いてトンネルを抜ける…と、そこには美しい海岸があった。わずか30秒ほどで、日本の渚百選に選ばれている島武意海岸に到達できるのである。ここはビョウブ岩とコバルトブルーの海岸が見事なコントラストをなしており、積丹随一の名勝となっている。よく見ると下に降りる道があるので、重い荷物を上に置いて、浜まで降りてしばし休憩し、カモメのハーモニーを聞いて過ごした。

View of Shimamui
日本の渚百選・島武意海岸

  それからまもなく引き返し、先ほどとは別の岬への道を登っていく。意外にも岬には数分で着いてしまうが、遊歩道自体は、隣町の幌武意まで5km近く続いているので、せっかくだからさらに奥へと進むことにした。

  左に海を見ながら、断崖絶壁の上を1時間ほど歩くと、海の上に突如、奇岩・女郎子岩が現れた。これには、やはり義経に見捨てられたシララ姫の化身という伝説があり(義経は罪な男だ)、岩の頂きには、今でも毎年かんざしのような赤い花が咲くという。あいにくまだ春なので彩りはなかったが、伝説に思いを馳せつつ岩を後にした。

  その後、左手に幌武意のワッカ岬を見ながら街へと下っていく。人通りが少ないせいか、途中には草木が胸の辺りまで生い茂っている所があり、スーツだったので「私が悪かった」などと誤りながらもどうにか通過して(それでも汚れてしまったが…)、無事町に下りたのであった。

Joroshi Rock
積丹の名勝・女郎子岩

 順番が逆

  幌武意からはまたバスに乗って、次に積丹一の町・美国に向かった。道中は内陸側を通るため退屈だったが、30分ほどで到着したので、次のバスまでの1時間を使って、市街を覆うように突き出た黄金岬に行ってみることにした。

  ところが実際に歩いてみると、予想よりはるかに規模が小さく、10分も歩くと岬に着いてしまった。宝島・ゴメ島と海岸の美しさも悪くないが、どうも神威岬からだんだんグレードが下がっているせいか、いまいち物足りなく思えてしまう。今回積丹の眺望を誇る三大岬を訪れたが、結果的には私とは逆に、美国から奥地へ進んでいった方が感動できるだろう。

View from Gold Cape
宝島とゴメ島 (黄金岬より)

  美国からは小樽方面に帰還するが、しばらくは断崖絶壁の風景が続き、セタカムイ岩、ローソク岩、大黒岩などの奇岩も点在していて飽きさせない。1996年に起こった豊浜トンネル崩落事故はこの辺りの出来事であり、旧トンネル跡もまだ残っていたが、個人的にはもっと奥地で起こったと思っていたので、意外に市街地に近くて驚かされた。いかに険しい自然を切り開いたか、これだけでも想像に難くない。

Candle Rock
海に浮かぶローソク岩

  小樽に戻ってからは、少々時間があったので本場の寿司を堪能し、夜遅い便で北海道を後にした。今回は素晴らしい好天に恵まれ、積丹の自然を充分に味わうことができて大満足だ。

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