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旅行記:北海道一人旅

17.夕陽の誘い (2000/5/19:晴

 思いがけない出張

  これまで1997~99年に3度にわたって、延べ21日間北海道を訪れ、道東・道央を中心に各地を周ってきた。そして羅臼湖、摩周湖、オンネトー、大雪高原温泉、銀泉台、函館山夜景などなど、思い出すだけで幸福になれるような絶景を堪能したのであった。

  これで一区切りついたので、北海道一人旅シリーズはひとまず完結して、次こそ海外へ羽ばたくつもりであった。実は、今年末から来年初頭にかけて、すなわち世紀を股にかけてニュージーランド旅行を計画しており、北海道の絶景を上回る風景を夢見て、日夜構想を練っているところである。そこで、少なくとも今世紀中は北海道には行かないと、自分の心の中にカギをかけたつもりであった。

  しかし、その封印を解く時が早くもやって来た。北海道の企画コンペに参加するのに、他の諸先輩方の都合が合わず、突如私に白羽の矢が立ったのだ。思いがけない出張話に、私は心の中で喜びを隠し切れず、他の出張と同じように(詳しくは「出張物語」参照)、すぐさま旅行の計画も立てるようになった。こうして、とにもかくにも2000年5月・6月と、出張を利用した北海道一人旅が実行されたのである。

 旅の行き先

  北海道への初出張は、5月19日(金)のことであった。道庁で11時からの説明会であった(参加しないとコンペ不参加とみなされる)ので、早起きして飛行機に飛び乗り、無事晴天の札幌に到着。この日はなぜか東京より暑いぐらい(25℃ぐらいあったらしい)で、とても北海道に来ている気がしなかったが、例の説明会はというと、わずか30分ほどで終わってしまった…

  完全に拍子抜けで、こんなに時間とお金をかけてきたのに、との思いがある一方で、これで早くも観光に切り換えられると嬉しくもあった。結局、八重桜満開の旧道庁周辺を散策した後、必要な資料のFAXと電話での報告を済ませて、午後1時過ぎには旅に出られるようになった。

Old hall
北海道庁旧本庁舎と八重桜

  旅の行き先は、実はいろいろと考えていた。本来なら滝上などの芝桜を見に行きたかったが、今年は天候不順でまだ三分咲き程度であるため断念し、しかも日曜日には震災ボランティアの講演(大げさなものではない)を依頼されていたので、小樽・札幌周辺ということで、ニセコ辺りを想定していた。

  だが、まだ決めていたわけではなかったので、ひとまず小樽まで電車に乗り、その間に詳細を決めることにした。そして小樽への道中、右手に広がる海岸を眺めていたら、ふと大学院時代の知人・K原氏が、積丹半島は良かった、と言っていたのを思い出した。考えてみれば、ニセコでは日程的に少々きついが、積丹なら1日程度でちょうど周れそうだ。それを時刻表でも確認したところで、今回は積丹半島を周遊することに決定したのであった。

Otaru
小樽運河

Sunset at Raiden
日本海に沈む夕陽

 雷電の夕陽

  小樽に到着すると、まず宿を決める必要があるので、改めて観光情報を収集。すると積丹から西に入ったところに雷電温泉があり、ここの文句に「日本海一望、沈む夕日」などと書かれていたので、その文句に誘われて決めたのであった。

  しかし、雷電方面行のバスは出発まで1時間あまりあったので、とりあえず観光地をくまなく周る循環バスに乗り、ルートを1周してみる。さすがに北一硝子の辺りは独特の風情で人も多かったが、後は有名な運河など、通り過ぎるだけではイマイチの風情であった。

  こうして時間潰しもほどほどに、本命のバスに乗り換えて出発。余市・岩内を経由し、2時間近くかけて宿泊先・雷電温泉に到着した。

  この時、既に午後6時を回っていたが、まだ陽が沈む前だったので、眼前の日本海には夕陽が綺麗に映えていた。その様子を、時には部屋から、時には展望露天風呂からゆっくり眺めて堪能したのであった。

  この贅沢なひと時を満喫した後は、豪勢な食事が待っていて、大満足のうちに眠りにつくことができた。ここは今まで聞いたこともない温泉地であったが、天気にさえ恵まれれば最高である。

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