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旅行記:北海道一人旅

12.滝めぐり丘めぐり (1998/9/24:曇時々晴後雨

 天人の滝

  長きに渡った大雪紅葉見物も、昨日旭岳を周ったことで、残るは近くの天人峡ぐらいとなった。ところが天人峡へのバスは11時までなく、おまけに旭川に出るバスは1日3便しかない。そこでほどほどの時間に出立し、天人峡まで約5.5kmの道のりを徒歩で行くことにした。

  旭岳温泉から天人峡温泉までの道は、あまり人が通ったような後もなく、しかも湿地帯で鬱蒼としており、ぬかるみが多い。しかも、途中のひょうたん沼を過ぎてしばらくすると、今度は天人峡を取り囲む柱状節理の断崖絶壁を一気に下っていくので、かなり膝にダメージを覚えた(これが上りだったら、さぞかししんどいだろう)。

  それでも1時間半ほどで無事到着すると、整備された平坦な道を、おばさま方を始め多くの人が歩き、一部の人たちははしゃいで写真を撮ったりしていた。先ほどまでは誰とも会わなかったので、あまりの俗化ぶりに閉口したが、私もその道を歩いて、羽衣の滝、敷島の滝を見にいった。

Hyotan Pond
ひょうたん沼

Hagoromo Falls
羽衣の滝

  入口から数分歩くと、早くも羽衣の滝が姿を現した。これは滝の途中で2つの沢が合流しているため、流れが7段にも分かれ、紅葉とあいまって神秘的な姿となっている。高さ207mは全国でも3位だそうで、岩肌を優雅に伝う滝の様子は、まさに天女の羽衣のようである(と言っても現物を見たことはないが)。

  そこでさっそく見晴台に登り、滝壷を見下ろしながらしばし鑑賞する。ところがまもなく、賑やかなおばさん集団がやって来て、景観どころではなくなってしまった。仕方なく下の展望台に逃げるが、こちらも多くの人で賑わっていたので、少し眺めたら足早に敷島の滝に向かった。

  展望台を抜けるとなぜか人が急に減るが、構わず歩いていくと、まもなく敷島の滝が見えてきた。こちらは、先ほどの羽衣の滝とは違って豪快な滝であり、その迫力には圧倒される。水飛沫も凄まじく、轟音とともに大量に舞い上がっている。これは想像以上であった。

  その後、しばし佇んだら道を引き返し、羽衣の滝に戻るが、今度は先の倍ぐらいの人で賑わっている…仕方なく写真だけ収めて帰路につき、旭川に戻っていった。

Shikishima Falls
敷島の滝

 曇天の丘の風景

  さて、これで当初周るつもりだった紅葉の名所は一通り見たので、最低限の目的は達したと言える。しかしまだ時間はあるので、 とりあえず近くの美瑛・富良野方面を目指すこととし、今日の宿の確保も済ませてまず美瑛に向かった。

  美瑛に着いたのは午後2時頃であったが、ここは雄大な丘の風景と、特に今の時期は収穫の季節で、畑が色とりどりになっていることが期待される。そこでさっそく自転車を借り、有名なパッチワークの路方面に赴いた。

  ここには各種CMで使われるようなところが多数あり、それが見所になっているのだが、実際巡ってみると結構距離があり、アップダウンも激しいので、予想以上に体力を消耗する。おまけに、駅に着いた頃薄日が差していたにもかかわらず、走り出してしばらくすると急に風が強くなり、雨も降り出してきた。雨はまもなく止んだものの、曇ってしまうと、丘の風景の美しさも半減してしまう。おまけに「○○の木」と言われる名所では、車を木の袂に置いて記念写真を撮る輩が多くて、不快感を抱かざるを得なかった(まぁ、これも人気スポット美瑛の宿命と思えばそれまでかもしれないが…)。

  さらに悪いことに、コースを周り終わる手前から本格的な雨が降り出したため、もう1つの美馬牛方面のコースは断念せざるを得なくなってしまった。ここにきてツキが逃げてしまったようである。

View of Biei
美瑛の丘なみ

Ken & Mary
ケンとメリーのポプラの木

  その後、今夜の宿泊地・白金温泉に向かい、6時頃には無事到着したが、 辺りはもう真っ暗であった。ここは大雪山系の麓にあたるところで、素泊まり2千円台の町営白樺荘がある。ここを今夜の寝床として、温泉で疲れをとり、明日の予定をじっくり考えるのであった。

 混浴の秘湯

  翌朝起床すると、予想通りというか、あいにくの空模様であったが、この日が事実上最後の観光となるので、まずは近くの望岳台に出向き、そこから美瑛には戻らず、富良野方面を目指すことにした。

  白金温泉から望岳台までは遊歩道が整備されているので、そこを歩くことにしたが、意外にも道が途中で迂回していたりして、地図以上に歩かざるを得ず、しかも時折雨がぱらつく状態だったので、ゴールが異様に遠く感じられた。

  それでも林野を通り抜け、何とか1時間半ほどで望岳台に到着。しかし、ここは普段美瑛岳と十勝岳を眺められる場所として知られているが、雲が邪魔して麓の方しか見えず、おまけに風が強くてとても長居できる状況ではなかった。仕方なく、若干の紅葉を眺めた後、南へと足を伸ばした。

  南側には吹上温泉と十勝岳温泉があり、十勝岳温泉からは富良野方面にバスが出ているが、望岳台との間に公共交通はない。そのため、ここで再び徒歩で進むこととなった。

  先ほどとは違って国道の脇を歩くので、道は非常に楽だが、想像以上に距離があり、苦戦を強いられる。結局吹上温泉に着いたのは45分後のことだったが、既に最初のバスは絶望的だったので、汗もかいたことだし、無料の露天風呂に浸かることにした。

  吹上露天の湯は、ドラマ「北の国から」のロケに使われたことでいっそう脚光を浴びるようになったが、行ってみるとおじさんおばさんばかりの混浴で恥ずかしい…(水の透明度が高く、上からも良く見えるので、女性は水着必着!)。それでもせっかく来たので入ってみると、適温だが、なぜかすぐにのぼせてしまう。そのため出たり入ったりを繰り返して秘湯を楽しんだ(ちなみに、この湯に浸かると肌がすべすべになったような気がする)。

Fukiage Hot Springs
吹上露天の湯

  温泉を出ると、今度は十勝岳温泉まで歩き、30分ほどで到着。これで白金温泉から15kmほど歩いた計算になるが、ここから富良野方面のバスは3時間後だったので、やむなくこの旅2度目のヒッチハイクを敢行することにした。

  ところが、富良野方面に向かう車が来ない…時折雨が降る中、20分ほど経ってさすがに焦りを覚えたが、ここでようやく車が通り、首尾良く乗せてもらうことができた。そして車はこのまま富良野まで走り続け、昼時には富良野市街に到着したのであった(結果的には、バスに間に合って列車に乗り換えるより早かったことになる)。

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