知床観光2日目は、前日周れなかった定番の観光スポットを巡ることにした。これにはレンタサイクルやレンタルバイク、バスなどが考えられるが、効率良く周ろうと思うと、サイクリングは相当ハードだし、通常のバスは本数が少なく不便だし、バイクも砂利道での苦戦が予想される。そこで定期観光バスを利用することとし、十数名の方とともにまず知床峠に向かった。
バスガイドのおばさんが「天候が悪いと知床がしれ~とこ(白い所)になっ てしまいます」などとベタなダジャレを連発するのはいただけなかったが、道中の話はなかなか勉強になる。そして峠ではまたしても国後島が霧で見えなかったが、近くの羅臼岳ははっきり見え、多くの人が写真を撮っていた。

羅臼岳

知床大橋
その後、自然センターの辺りまで引き返すと、今度は北に向かい、しばらくして細く曲がりくねった砂利道を延々と進み、やがて一般人が入り込める最果ての地・知床大橋に来訪した。そしてしばしの休憩の後、1kmほどバックしてやって来たのが、知床の名物とも言うべきカムイワッカ湯の滝である。
カムイワッカ湯の滝では、硫黄山から流れ出る高温の湯の川が滝壷にたまり、冷たい沢水と混ざり合って丁度良い湯加減の露天風呂になっている。入口から滝壷までは沢を20~30分登らなければならないが、それが逆に人気を呼んでいるような気もする。ここでは1時間あまりの時間が確保されていたので、私も昨日買っておいた滑り止め付の特製靴下を履き、ズボンをめくって挑戦した。
入口からしばらくは傾斜も緩やかで、水温も少し温かくなっていて気持ち良い。体力に自信がなくとも、ここだけでも十分楽しむことは可能である。だが、さらに進むと少しずつ急な岩場や深い箇所も現われ、川床は綺麗で思いのほか滑らないが、ハードな川登りとなってくる。結局20分ほどで下段の滝壷に到着したが、これでは飽き足らず、さらに上を目指すことにした。
ここから先は本当に急な岩場となり、熱湯が流れる崖もあり相当熱くて危険だが、 中段の滝壷を越え、ついに上段にたどり着いた。思ったより人はいたものの、せっかくなので私もこの天然の露天風呂に浸かり、汗を流した。が、帰りの方が道は危険なので、再び汗をかくことになったのは誤算であった。

カムイワッカの湯 (上段の滝壷)

カムイワッカの湯 (下段の滝壷)
帰還後、一行はこれまた定番の知床五湖に向かった。途中鹿や狐に遭遇するシーンもありながら、舗装路に戻ってしばらく経つと、観光バスなどが大挙押し寄せる五湖駐車場に到着。ヒグマが生息する地帯に似つかわしくないと思いつつも、ここで1時間の猶予があったので、遊歩道の中に入っていった。
が、この頃から雲行きがかなり怪しくなっており、一湖に着く頃にはにわか雨が降り始め、知床連山も裾しか姿を見せなくなってしまった。特に最大の面積を有する二湖は、天候が良ければ相当美しいらしいので、残念で仕方なかった。

知床五湖・一湖

有名な二湖
それでも三湖や四湖のように、原生林に囲まれた静寂の景観は、私がお気に入りの上高地に勝るとも劣らない美しさであった。途中「ガサガサッ」という音でヒグマへの恐怖を覚えたものの、結局五湖も周り、最後は最近できた展望台にも寄ってしまった。

静寂の三湖

鏡のような四湖

一番小さな五湖
知床五湖からの帰路では、途中岩尾別というところを通るが、ここが有名な 「100平方メートル運動」の行なわれている地域である。ここはかつて開墾を試みながらも、過酷な自然条件に勝てず、離農していった跡地で、現在は全国の方からの寄金をもとに買い取られ、小さな苗木が育ちつつある。原生林に比べるとまだまだではあるが、この運動が永続することを願って止まない。
ウトロに帰ると斜里行のバスが待機していたが、せっかく来たのだから反対側の羅臼にも行ってみたら、とのアドバイス(昨日クルーザーで同席した人より)を思い出し、東側の拠点、「魚の城下町」羅臼に向かうことにした。
ウトロ-羅臼間は1日2便しか運行されていないが、ちょうどタイミング良く最終便が出るところだったので乗車。観光用バスに乗客3名は贅沢だったが、峠を越えると霧が発生していて、景色は台なしであった。そして到着後は宿探しとなったが、あまり見当たらなかったので、海に向かって進んだ先にあるホテルに泊まることにした。(1万円弱と少々高かったが、近くに店も海もあり、夕食には毛蟹やホタテ、ホッケなどのご馳走が出たので、そんなに悪い気はしなかった)。