神戸の街の復興に全力を尽くそうと、意気揚々と乗り込んで来た私でしたが、ガレキの山、壊れた家、傾いたビルなどを目にすると、強く心を打たれ、何とも言えない心境になりました。そして、何をするにも人の後を追い、自分から進んでやろうとはしませんでした。しかし、夕食の配給を任された私は、覚え始めた関西弁で、配給をもらいに来る人にたくさん話しかけました。その時、このままではいけない、やれることは何でもやり、積極的に事に接しなければ、と感じました。それから、私は何でもやろうとしました。朝・昼・夕食の配給、そして翌日行なわれる祭りの準備等です。
私は、配給をしている時、大きなことを1つ学びました。それは“あいさつの大切さ”です。配給をしているといろいろな人が来ます。「パンを3つ下さい」「パンを10個下さい」と様々です。しかし、受け取った後「ありがとう」と全員の人が言ったわけではありません。決して私たちは「ありがとう」という言葉を言ってもらいたくてボランティアをしているわけではありません。しかし、この何でもない一言を言われれば、私たちだって「さあ頑張ろう」とか「もっと応援してあげなきゃ」と思うようになるのではないのでしょうか。本当に、何でもないあいさつって大切だ、と思いました。
もう1つ、私は大きなことを学びました。それは“人間の心”です。日曜日に行なわれた“せせらぎ祭り”のことでした。私はいわゆる雑用係で、お祭り前はテント、本部、教室といろいろ飛び回っていました。が、お祭りが始まると少しはゆっくりできるようになったので、ステージの方などいろいろな所をのぞいてみました。あらゆる場所で、皆が笑ったり食べたりと楽しんでいるのを見て、とてもうれしく思いました。さらに、パントマイムショーやカラオケ大会では、老若男女を問わず様々な人たちが楽しんでいるのを見て、さらにうれしく感じました。あの、心から楽しんでいるという笑顔は、一生忘れることができないと思います。そして、祭りも終わり、少しずつ片付けをしていると、すれ違う人が「ありがとう。本当に楽しかった」とか「ご苦労さま」と言ってくれました。先に挙げた"あいさつの大切さ"に近い事かも知れませんが、阪神大震災という大きなショックで心を閉ざしていた人たちが、私たちと言葉を交わし心を開いてくれたと思うと、少しは人間の心を理解できたのではないかと自分では思っています。
私は、たった2日間の神戸の旅で多くのことを学び取ったように思います。これは、ボランティアの方や避難所生活をしている方の力あってこそだと思っています。本当にありがとうございました。また機会があれば、ぜひもう1度神戸に行きたいと思っています。