阪神・淡路大震災──これほど多くの人々の心を捉えた出来事があったでしょうか。 おびただしい死者の数、倒壊したビルや家屋、プライバシーのない避難所生活‥‥近代文明を謳歌していたはずの日本で、まさかこんなことが起こるとは、誰も想像していませんでした。
しかし、こうした中で、「何かできるのではないか」「何かしたい」「力になりたい」との熱い思いに駆られて、多くの人がボランティアとして現地に向かいました。学生をはじめ、サラリーマン、主婦、医師と、普通の市民がかつてない規模で動き出し、まさに「ボランティア元年」と呼ぶにふさわしい状況になったのです。
私たち「ファミリー国立」も、そうした熱い思いを抱く人たちにより、震災直後の1月下旬に結成され、2月3日から4月15日までの期間に、神戸市東灘区の魚崎小学校へ80名余りのボランティアを派遣してきました。そして、そこでの活動を通じて、いろいろなことを見、聞き、感じ、多くのことを考えさせられました。震災から時が経った今でも、この思いはなお生き続けています。
そうした思いから、この活動の経験をそのまま風化させることなく、これからのボランティア社会に生かしていくために、報告書という形で活動を記録に残していくことにしました。自分たちの活動を振り返り、何ができ、何ができなかったかを整理するとともに、社会や第三者から自分たちの活動がどうであったのかを評価してもらうことで、これからの支援のあり方や方法などを考えていきたいと思ったのです。
しかし、この報告書の作成に当たっては、単にこれまでの活動記録をまとめるような「報告書」を作ることはあえて避けて、活動を体験していない人にもその実態がわかるよう、わかりやすく読み応えのある物を目指して製作してきました。そのため、内容についてはきっと満足していただけるものになったと自負しています。そして、読み進むうちに、ボランティアにとっての「探し物」が何だったのかも自ずとわかってくることでしょう。
この活動報告書がより多くの人に読まれ、災害時のみならず、今後の社会を考えていく上で何らかの役に立つことを願っています。
なお、本活動報告についての忌憚のないご意見・ご感想をお寄せいただければ幸いです。
ファミリー国立事務局