8月27日をもって、避難所としての魚崎小学校は終結しました。他地区には類を見ないほど迅速に、そして大きな混乱もなく解散したとのことです。正味8ヵ月間活動した災害・復興対策本部もまた、その歴史に終止符を打ちました。しかし、このことは復興の成果や山積する問題の解決を意味するものではなく、むしろ、これから震災の爪痕と社会構造に大きな亀裂をもたらした災害の深刻さを日々味わいながらも、「被災地」「非日常」から脱し、完全復興後の明るい神戸に向けての第一歩、「日常への移行」の決意を示すものであると言えましょう。
私たちは、東京からのボランティアとして震災からの復興に関わってきました。被災者の自立を考慮した私たちの活動は、4月15日をもって終了し、その後この報告書の作成に取りかかりました。私たち個々にとっての活動の意味を、「それぞれの探し物」としてこの報告書に綴り、またボランティア団体としての私たちの活動の中身も同時に報告させてもらいました。
私たちは、活動を通して、非常事態の中で機能するべきはずのものがいかに機能不全に陥り、同時にいかにパニックに対して人が理性を失い無力になっていくかを改めて思い知らされました。今、自治体はやっと重い腰を上げ始め、災害時の対策について話し合いを始めました。その結果として、災害対策の基盤整備が徐々に進んでいくことは歓迎すべきことでしょう。しかし、国立での講演会で上京したおりに、緊急時は全てが機能不全になるという前提のもとで対策を立てるべきである、と魚崎地区復興対策本部長の高砂氏が力説されていたとおり、頼れるものは行政ではなく、自分自身なのだという自覚を日常から持っておくことがとても大切なのだと感じます。
活動の評価については、この冊子を読んで頂ける方の感じ方や考え方、判断にお任せします。この報告が、ボランティア活動やご自分の住む地域のことを再考する1つの手がかりになれば幸いです。
坂本 剛史