本研究は、行政計画策定過程における「意見反映プロセス」(行政が不特定多数の市民から意見を聴き、それを施策に反映させるプロセス)について、事例研究により、その現状と課題を明らかにすることを目的としている。
地方分権論議が高まる中で、自治体が定める行政計画の中には、法律で市民からの意見を施策に反映するよう義務づけるようになったものがある。しかし、政策形成過程はこれまで主に国が担っており、自治体では意見反映プロセスを十分実施してこなかったため、その手法の確立が急務になっている。
そこで本研究では、行政計画策定過程で試みられた意見反映プロセスについて、4つの事例を取り上げ、主要アクターへのインタビューなどをもとに、現状の問題点と課題等を検討している。その際は、①なぜ意見反映プロセスを実行するのか、②どういう意見反映プロセスをとっているのか、③意見反映プロセスの採用でどんな影響があったか、の3点に焦点を当てて、定性的な分析を行なっている。
取り上げる4事例は日野市・新宿区・大和市・東京都であるが、これは意見を収集するチャネルの数や施策へのフィードバックの頻度などで、違いがあるものを選択している。また、分析に当たっては増分主義モデルを採用し、上記の3つの焦点に即して、それぞれの事例で明らかになった、意見反映プロセスを行なう利点と現状の問題点について整理している。
そして、以上の結果を踏まえて、意見反映プロセスの確立に向けた提言と将来展望を述べている。
1.行政計画 2.市民参加 3.パートナーシップ 4.政策過程 5.意見反映プロセス